ANDADURA

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2020.9.26

ファスナーミニ財布 S・LGW12

ファスナーミニ財布 S・LGW12の詳しい説明です。
ファスナーミニ財布・LGW01をさらに小さくしたお財布です。
 
中央にループ状のポケットと、その両サイドのスペースがあるだけの、
ミニマムなお財布です。
お札の使用頻度を、頻繁には使わないと想定し、三つ折で収まるサイズに絞りました。
 
手に持ったサイズ感。(女性の手です。)
実寸はw106×h94×d15(mm)です。
 
LGW01とのサイズ比較
LGW01(右) ・・・w110×h94×d15(mm)
LGW12 (左)・・・w106×h71×d15(mm)
 
サイズを小さくした事で、小銭部分が浅くなり、見やすく&使いやすくなります。
 
あまり重要視してなかったですが、パンツの前ポケットに
スッと入るのが、思いのほか便利で、お尻のポケットには入れないけど、
前ポケットなら入れても嫌じゃないので、ポケットに入れて使うようになりました。
 
 
お札部分のマイナスはありますが、それをしっかりと補うプラスがありますので、
スマホ決済の補助財布として使われる方には、ちょうど良いのではと思います。
 
 
ー制作話ー
 
L字の小さなお財布は昔試作してましたが、その時は、お札の出し入れがしにくいので、
製品化には至らなかったのですが、「高額な買い物はスマホ決済で、お札はお財布に千円しか入れない」という方も多く、それならば、という事で制作しました。最近は、お財布の役割が流動的だと感じています。求められる用途が変わった事で、昔作ったものが、浮かび上がる、というのが面白いです。
2020.9.26 | products

2020.9.18

展示終了しました

 
hitofushiさんでの展示、無事終了しました。
お越し下さったみなさま、チームhitofushiのみなさまありがとうございました。
いただいたフィードバックで、さっそく新しいもの試作してます。
 
展示がひと段落したら、やる事といったら庭の事。
6月くらいに蒔いたソルゴーという植物。
去年一畝だけ試した、ガッテン農法に使います。
 
 
枯らしたソルゴーを畑の下地にして、野菜が育つ土作り。
ガッテン農法で出来たカボチャのスープが美味しかったので、
我が家(というか工房)の畑はガッテン化計画進行中です。
 
ガッテン農法はねじねじという、どう説明したらいいか分からない
すごい事になってます。ご興味ある方は、調べてみて下さい。
 
 
2020.9.18 |

2020.9.11

革に魚介類の匂いがついた場合

バックの中にお財布を入れていて、魚介類の汁がこぼれ匂いが取れないとの、
連絡を頂きました。そういうケースは数が少ないとは思いますが、
全く無いわけではありませんので、対処法をここに記します。
 
魚の匂いを取るための、いろんな方法がありますが、
革に負荷のかからないものを使う必要があります。
 
それは、水で薄めた酢です。
 
酢を水で薄めて、Tシャツなどのウエスにつけ、
しっかり絞る。部分的にでなく、全体をしっかりと拭く。
(革は、部分的に濡れるとシミになりますが、全体が濡れた場合はシミになりません)
 
工房の革で、酢をストレートに塗布する実験を行いましたが、
革にダメージが無く、おすすめ出来る方法かと思います。
ただ、革が酢の匂いになりますので、ある程度薄めて、
このくらいの匂いなら、気にならないかな、という酢水でお試し頂けたらと思います。
 
革にはいろんな種類があり、酢で負荷のかかる革もあるかと思います。
ANDADURAの革には合っている方法ですが、ANDADURA以外の革でも、タンニン鞣しの染料染めの革には
効果があるかと思います。目立たない箇所で色落ちや変色が無い事をご確認いただき
お試し下さい。
 
 
2020.9.11 | material

2020.9.7

佐藤さんのお財布

ANDADURAの革を作ってくれている革屋の佐藤さんのお財布を制作しました。

なんでこんな事を書くのかというと、
佐藤さんとの革作りが始まった2010年かそれくらいに、

「自分が納得する革作ったら、それでお財布作ってよ。」
と佐藤さんは言いました。

これまでも佐藤さんにはお財布を使ってもらっていたけど、
革そのままと、革をかたちにした時の「良さ」には、ほんの少しのズレを
感じていたので、それを共有するために、使ってもらっていた、という感じ。

そして、10年くらい一緒に革を作ってきて、
(ようやく?)「前作ったキャメルで、お財布作ってよ。」と。

原皮の種類や、下地のタンナーさん、加工方法に至るまで、
もはや、全てを試したと感じている。
10年の間には、「もう一緒にやるの無理なんじゃない。」ってタイミングもありました。

だから、
「前作ったキャメルで、お財布作ってよ。」
とサラっと言われると、感慨深いものがあります。

ただ最近は、「肩の力抜いて作りましょう。」
とか、「やり過ぎないようにしましょう。」
とお互い肩の力を抜いて作ることが出来てきたように思う。

それが出来るのも、
去年に、革のベースを栃木レザーから昭南レザーに切り替えたことが大きい。
栃木の革は、作り込まないと使える革にならない事が、多かったけど、
昭南はしっかり鞣された革を作ってくれているので、
「この革の良さをそのまま生かしましょう。」と安心して革に委ねる事で、

やり過ぎない事が出来るようになった。

最近は、革を少しづつ柔らかく仕上げるようになってきている。
些細な変化ですが、10年という時間の重みを感じない、
のびのびとした変化のように感じられて、肩の力も抜けるってもんです。
 
2020.9.7 |

2020.8.20

ANDADURA展 at hitofushi

 

大阪のhitofushiさんにて、8月29日(土)から9月12日(土)まで、ANDADURA展を行います。(※1週間会期延長となりました。)

 
去年の12月のこと。hitofushiの水本さんから、嬉しいメッセージと展示のお誘いをいただいたので、ピュンと大阪にお話ししに行きました。
 
今回の実験は、見えない部分ですが、今年の頭からチームhitofushiのみなさんにアイテムを使っていただき、話し合いもして下さってます。通常お店さんが全てのお財布を使っているわけではないので、実際に全てを使っていただく事で、どういう展示になるのか楽しみです。
 
定番の革のお財布たち、ビニロンシリーズ、Over the rainCowのアイテムなどが並びます。
これから、新しいアイテムも制作しようと思ってます。

hitofushiさんのお店の前は公園ですので、公園でゆっくり過ごしながら、お店の混雑具合など見て、ご覧いただけたらと思います。展示の頃には少し涼しくなっている事を願いつつ、制作に励みます。
 
 

ANDADURA展 

会場:hitofushi(大阪) 
日時:8月29日(土)〜9月12日(土)
営業時間:月〜木 11:30〜18:30  金、土 11:30〜19:00
大阪府大阪市西区京町堀1丁目12−28 壽會館ビル 1階
06-6225-7675
2020.8.20 | information

2020.8.1

VE02のバリエーション

VE02のカラーバリエーションです。

online shopのページに載せきれなかったので、こちらにも載せます。

ここでも全ては載せきれてません。

 

昔見た、ジム・ジャームッシュの映画で、タイトルは忘れましたが、

敵の基地に乗り込んで行く場面があって、ガチガチに警備された基地にどうやって

忍び込むんだろう、と見ていたところ。場面は急に基地の中に侵入成功している姿が映し出される。

敵「どうやって、入った!」

主人公「イメージの力を使った。」

え〜。反則ですやん。それなら、基地をガチガチに固める警備の場面必要なの〜?。

 

そう。載せきれない分はイメージの力でご想像いただけたら幸いです。

(とはいえ、この組み合わせしっかり見たい、などありましたら、メール下さい。写真撮ります。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

VE02はこちらからご覧下さい

 

 

 

2020.8.1 | products

2020.8.1

_____に風を通す at online shop

前にひとり展示会と称し、庭でひとりで楽しんでましたが、

今回はonline shopでやってみます。

定番をなると、色数や形などは絞ります。絞ると、どうしても溢れ落ちるものがあって、

そのハザマ、というかユラギに存在する溢れ落ちるモノも結構好きだったりします。

溢れ落ちるものを盛り込んじゃえ、という感じでモリモリとオンラインショップという受け皿にごっそりのせてみました、

という感じの_____に風を通す・セルフ展です。

 

_____に風を通すでは、
定番のいつもの3色に加え、ネイビーとオレンジの計5色です。

少し明るめのネイビーと、ビタミンカラー代表みたいなオレンジです。

 

こちらVE02となってますが、ビニロンという素材に触れていて、一番最初に出来たのが、これです。新作作りの時は、晩酌の際に眺めて触れて、

ええわぁ〜なんて言いながら一人で楽しんでますが、ええわぁ〜、と一緒にお酒を飲んだ回数が多いのはこの人です。

ゴムに手を添えて使わないといけないという、一言説明が必要なのがネックで、定番にはしませんでしたが、ここでは、しっかり説明できるので、販売いたします。

いろんなカラーバリエーション作って、並べ替えながらのええわぁ、もやってました。

35通りもあるので、とっても選びにくいかとも思いますが、

直感で気に入ったものありましたら。
オーラソーマのような感覚で楽しんでいただけたら。

 

こちらP1です。白と黒を追加しました。黒はゴムも黒で、白はアイボリーのゴム。ともに金具はシルバーです。

白は汚れが目立ちやすいので、上級者向けです。黒はたくさんありますが、白は1つしかないです。

 

 

_____に風を通すのセルフ展、ぜひご覧下さい。

 

 online shop→

 

 

 

2020.8.1 | information

2020.7.25

高梁川

 

ANDADURAの工房は高梁川が流れる、岡山県総社市と高梁市の間くらいに
あります。水内橋という橋を超え、4キロほど山を登ったあたりにあります。

工房の少し裏には、若水山古墳という古墳があります。
なので、年に数回は古墳を見に来る人がやってきます。

工房の山側には山本城というお城があったらしく、
工房の隣には、山本城の城主のお墓があります。
なので、年に数回はお墓まいりに来る人や歴史好きの人ががやってきます。

工房のある場所の屋号は若水といって、山本城に水を運んでいたらしく、

場所との縁を感じるところです。


年に何度も古墳やお墓に来る人がいて、
「何してんの?」って感じで声をかけられる事があります。

古墳好きな方や、歴史好きの方はお話好きの方が多く、
僕もこのあたりのことについて、あれこれ聞いたりもします。

この場所では、昔スイカがよく作られていて、立派なスイカだった話や、
山本城を発見したのは、工房のうらの渡辺さんのひいおじいちゃんである事、
なんかも知りました。

そんな中でも、ある日に来たおじちゃんは、
「あそこ見える高梁川、昔どんな風だったか知っとるか?」
「あんま変わんないんじゃないですか?」

「昔はな、高梁川から金比羅に向けて船がでよったんじゃ。」
「めちゃ楽しそうじゃないですか?」

「そんでな、このあたりの川沿いには賭場がたくさんあってな、
田んぼや土地なんかを賭けよったんじゃ。見えるじゃろあの辺りに
賭場があったんじゃ。この辺の主要産業は賭場だったわけじゃな。」
「土地賭けてたんですか、破天荒ですね。」

金比羅へ船で行く旅路は想像するよりずっと破天荒なもので、売春防止法が制定される、
昭和30年頃まで続いてようで、僕が生まれる30年くらい前とは思えない、
遠い昔の話を聞くようだった。

みんながみな、賭け事に勤しんでいたわけではないだろうけど、
人の気質も土地の成り立ちも、今とは全然違うんだなと思い、
改めて高梁川を眺めながら、そんな風景を想像したりする。

また30年くらい経った時には、
「あそこにな、コンビニゆうもんがあってな。」
などと僕が若者に話していてもおかしくない。

ひとつの場所に長く住むと、ひとつの風景を見るにしても、
いろんなレイヤーが重なり、視野の肌理が細かくなっていく楽しさがある。

農作物や植物や昆虫や動物や、神楽や神社仏閣や習慣などの人間の営みを知り、
想像しながら、風景を眺めるのが楽しい今日このごろです。

高梁川を眺めつつ、諸行無常を感じたりして、
「かりそめ、かりそめ」などとつぶやいたりもします。
 
 
2020.7.25 | note

2020.7.23

レンタル at hitofushi

 
現在、大阪のhitofushiさんで、お財布のレンタルをしていただけます。
8月29日からの展示に向けて、前座のような感じです。
 
レンタルのお財布はシェア財布と名付け、
みんなに使っていただき、お財布を楽しんで選んで頂けるきっかけになれば幸いです。
 
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・シェア財布の革について
 
シェア財布の革は、西日本豪雨の際に水に浸かった革を使用しています。
 
革屋さんが懸命に仕上げ直してくれた革を前に、
どのように使うのが、この革にとっていいかを考えました。
 
腑に落ちた方法はシェアするというものでした。
 
一度水に浸かった革ですので、革質が悪くなっていたり、どうしても取れない汚れは残ってますが、
お財布を楽しんで選んで頂けるきっかけになれば幸いです。
(レンタル案内文より)
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○シェア財布はそんなにたくさんは作れなかった為、
「レンタル中」ということもありえます。その場合は試しに違うお財布を使ってもらえたら、
発見もあるかもしれません。
楽しんでいただけたらという気持ちではじめた試み。
お手柔らかにお願いします。
 
その他、革屋さんに直していただいた革で制作した、
Over the rainCowのアイテムも並んでます。
 
手紙のやりとりのようにレンタルを楽しんでいただけたら嬉しいです。
 
 
2020.7.23 | information

2020.7.17

おじいちゃんの松

 

工房を出て少し歩いたところに、
大きな木が一本。御神木ではないらしい。なぜだか近くの小さな木が御神木との事。

そこに年末に祝詞をあげる、小屋がある。

折に触れて思い出す事がある。
去年のこと。

地域のみんなで火を囲んでいて、
ネコのおじちゃん(と僕は密かに呼んでいる)が

「ここには昔、松が生えとった。え〜松じゃった。」
と言う。

そばにいたYさんも
「あれは、え〜松じゃった。」

そこにいた、80歳以上の方々は遠い目をし、
しばしの沈黙。

ふっと思い出したように、ネコのおじちゃんが
「そういえば、○○子さんは今何しよるんかの〜。」

○○子さんの行方を知っている人が
「今は○○しよるんよ。」(僕が覚えて無い)

「ほーか、まだ生きとるか。○○子さんは可愛かったの〜。」
とネコのおじちゃん。

多分○○子さんは、ネコのおじちゃんが恋した人で、
一緒にはならなかったんだろう。

なんとも無いやりとりだったけど、
それから今はなき松のことをたびたび想像してしまう。

今はなき、松の木の下で遠い昔に、
若き日のネコのおじちゃんと○○子さんが一緒にいる姿を想像する。
Nick DrakeのPaddling in Rushmereって曲を脳内でBGMとして流しながら。

松の話をして、恋した人を思い出す。
いい松だったんだろうなぁ。見てみたいなぁ。

こんな事を考えていると、とっても幸福な気分になっていたりする、
今は亡き松の木に幸福感を与えてもらうことがあるんだなぁ、
っていう、おじいちゃんの松の話。

 

2020.7.17 | note
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