ANDADURA

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2024.7.22

tiny wallet を仕様変更しました

 

妻が、tiny wallet を使用した際に、扱いが少し不安とのことで、使い方を見せてもらい、
このお財布が、右利きの方が、お札の出し入れがしにくい、左利き仕様になっていることが分かりました。

ANDADURAのお財布は左右対称で、どちらの利き手でも使えるものが多いですが、コンパクト財布のように、左右対称ではないアイテムを作る場合は、僕が左利きですので、右利きの方に使っていただき、利き手の検証をしていました。その際に、右利き用のお財布でも自分自身が問題なく使えることで、自分は、お財布は右利きとの認識になっていました。

お財布を作る際に、さまざまな検証は行いますが、自分のお財布の使い方は、右利きと変わらないと認識していたので、盲点となり、このお財布には利き手が関係していることへの検証が抜けていました。

online shopで購入いただいた方、納品したお店さんに連絡して、 右利きのものと交換させていただきました。お使い下さっている方には、「使いにくさは感じないので、そのまま使います。」とおっしゃってくださる方もいらっしゃいました。

 

tiny wallet は、これまでの型紙を反転させた、右利きの仕様に変更いたしました。
今後、利き手の検証はしっかり行ってまいります。
 

 
LGW14 - tiny wallet
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5
 
これまで制作してきたtiny walletは、左利き用として online shopで継続いたします。
いさぎよく、引っ込めることも考えましたが、左利きの方で右利きのお財布がどこか使いにくい方や、率直に利き手に合うお財布がいいな、と感じられる方もいらっしゃるかと思いました。
 
左利きの方は、知らず知らずのうちに、右利きの仕様に慣れて、右手を使えますので、左利き仕様の方が使い勝手が断然いい、とまでは感じませんでしたが、左手を使って小銭やカードやお札を取りますので、その分スムーズかと思います。左利き財布を使ったからと言って、右利き仕様のお財布が使いにくくなるという弊害も、今のところ感じていません。
 

 
LGW14 - tiny wallet - 左利き用
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5
 
左利きアイテムということで、手で持った写真は山本の手で撮りました。
お財布の写真というより、手がお財布も持っているというバランスの写真になっていますが、よろしくお願いします。
 
LGW14 -  左利き用は、こちらからご覧ください。
 
 
2024.7.22 | information podcast

2024.7.18

額縁の枠のかたち

 
独立してすぐに、ひとつの型紙を用い、複数のアイテムを作れたら面白いだろうな、と考えたことがありました。
複数のアイテムのかたちが、ひとつの型紙にフィードバックされ、複数のアイテムの要素が、それぞれに絡み合うような作り方。
 
思い出してみると、beatlesのgolden slumbers から carry that weight / the end に至る流れを、リピートでずっと聞いていた時に、これをものづくりに置き換えたら、どんな作り方になるんだろうか?と考えたときに、思いついた作り方。
 
そのgolden slumbersのような作り方は、ずっと、頭の片隅にあり、額縁を考えている時(その時には、それが額のフレームの形状に使えるとは気が付いていませんでした。)スウェードでひとつの型紙で、複数のアイテムを作る、という完成しそうにない、実験をしていました。

あっ、もしかして、スウェードではなく、額の方で使うのに、ぴったりな作り方ではないか、と気がつき、長年の宿題を解くかのように、嬉々として、フレームの形状を考えました。
 



枠のかたちは、くるくると向きを変えたら、4つの異なる額ができる形になっています。一粒で4度おいしい。

ずーっと、作りたいな、と思いつつも、どうやっていいか分からない作り方が、ひょんなきっかけで、かたちになる。ものづくりは楽しい。
 
今も、高校生の時に「いつか、作ろう」と決めたものを、少しづつ形にしようとしている。
家の改装のやり方は、中学生の時に、「自分だったら、こんな家づくりをする。」と真剣に考えたことを思い出し、それがベースになっている。
そうやって考えると、記憶で何かを作っているような気もしてくる。
 
人の名前や顔は失礼なほど、覚えられないのに、「これを作ろう。」と決めたことについては、新鮮なまま自分の中にずっと、留められている。そんな、自分のいびつな記憶が頼もしい。
 
改めて、beatlesのgolden slumbers から carry that weight / the end を聞いてみると、1曲にしなかったのは、曲の構成など云々ではなく、感情的に繋げられなかった(もしくは繋げたくなかった)ということを感じる。ポールの歌う、最近のgolden slumbersは、曲の隔たりが少なくなっている、ように感じる。
 
ほんと記憶って不思議だ。
 
 
 
2024.7.18 | products

2024.7.18

額のデザイン

 
 
額縁を(家の改装を一緒に行っている)ao factory のあつおくんと協働で作りました。主にデザインは僕で、主に制作はあつおくん。
 
1年半ほど前にkazahaya coffeeさんより、お店からの風景を青木隼人さんが描いた絵を額装したいと、お声がけいただきました。
ぜんぜん、作ったこともない僕に制作(作るのはあつお君だけど)を依頼するとは、風早さんは、なんと勇気があるんでしょう。
僕ができると思ってるから、お願いしてくれているんだから、出来るんだろうと思い、喜んでお受けしました。
 
それから額縁について、あれこれ考えを巡らすようになりました。自分が今使っているもの、過去に見た額などを頭の中に思い浮かべてみて、あることに気がつきました。
 
額縁は、絵と見る人との関係という指向性のもとデザインされているということ。
装飾を施し、「ここに絵がありますよ。」と見る人にうったえるものもありますし、また最低限の細さでシンプルに作られているものも、額縁は消えますので、絵を見てください、と言っているように感じます。
 
でも、部屋に絵を飾るということは、絵は空間に存在するわけで、絵と鑑賞者というベクトルでデザインするより、絵と空間と鑑賞者が混ざり合う媒介となるようにデザインする方が、額縁のあり方として適切なのでは、と思うようになりました。
絵は空間にも影響を与えるし、空間も絵の見え方に変化を与える。見る人も空間の中で感じるんだし、それらは切っても切り離せない関係性にある。
 
よし、絵と空間と鑑賞者が三位一体になるような額縁にしよう、と基本方針は決まりました。さて、どうやって、それらをつなげようか?
 
絵と鑑賞者との関係においてデザインされていると僕が思ったのは、額縁は前面(見る人にむけて)の造形に意識を向けて作られている、と感じたからです。
 
額縁が空間との関係を持たせるには、前面に意識を向けるのではなく、壁面と額の関係性に意識を向けたらいいのでは。なので、額の側面から背面にかけて意識を向けてデザインしてみよう。
 
設置するポイントに陰影を生むようなニュアンスをつけ、空間に額をすべりこませてみると、空間と額は緩やかにつながるのでは、という仮説のもと、カタチを導き出しました。
 
依頼をいただいてから、ずいぶん時間が経ってしまったけど、いただいた要望と、自分が作るリアリティーみたいなものが、交わるポイントを探すまでが、すごく時間がかかる性分ですので、「いつでもいいですよ」との言葉に大いに甘えました。そのおかげでじっくり考えることができました。制作の途中段階では、青木さんにも、意見をいただきながら進めました。ありがとうございます。
 
 
今日納品に行って、絵を額におさめました。風早さんにも喜んでいただけたし、壁に飾るのではなく、テーブルに置く仕様だけど、しっかりと空間と良い関係性をもてていることに安心しました。
 
 
協働アイテムは、また、なにかしらのカタチでリリースできたらと思っています。
あつおくんと協働での初仕事。あー楽しかった。
 
 
 
 
2024.7.18 | products

2024.4.16

tiny wallet

 

小さなお財布 を作りました。

 

お財布のレンタルの際に、感想を書いていただくカードサイズの用紙を同封していていましたが、こんな小さな用紙には収まらないから、とメールでとても細かく感想をいただきました。こんなお財布があったら、との要望も具体的に書いてくださっていて、それを読んでいると、このお財布を作ってみよう、という気持ちがむくむくと湧き上がってきました。去年の8月のことです。

 

一番最初に、一つのパーツで構成されたお財布が出来ました。それはそれで面白いのですが、扱うときに集中が必要なお財布でした。そのお財布を使っていると、マニュアルとオートマという軸が出てきました。

 

 

このハイパーなマニュアル財布はリリース出来そうにないけど、扱うときに心地よいマニュアル感ってあるはずだ、と思い、その座標軸をもとにして、お財布を考えてみようと思いました。オートマからマニュアルまでのサンプルを作り、心地よいマニュアル感はこの辺りかなと切り取ったのが、このtiny walletです。

 

去年は寸法を、数字で細かく計算しながら進めていましたが、なんとなく計算してたら完成しないような気がしたので、今回は細かく計算するのはやめて、サンプルを観察することに重きをおいて、進めました。

 

心地よいマニュアル感が奈辺にあるのかを探すのは、初めてのことでしたので、いつものごとく、もりもりサンプルをつくりました。

 

 

独立当初に僕が嬉々として何度もサンプルを作っているのを見て、(おそらく老婆心として)「最終形を2回のサンプル作りで作れないなら、プロとは言わないよ。」と言われたことがありました。まぁ、そんなにサンプルに時間をかけていたら、食っていけないよ。というニュアンスが込められていたように思います。

 

まぁ、そりゃ、そうだよな。と思うところもあったのですが、それよりも、2回で完成させなくてはダメということを自分に課してしまうと、2回で完成するものしか思い浮かばなくなるんじゃなかろうか?

 

それから、その言葉のおかげで、新作作りのサンプル制作は、趣味のようなものと位置づけできるように、仕事の仕方や環境も組み直していきました。前にも増して、自分が納得いくまで何度やってもOKにしました。2回で完成するのなら、それもOK。完成しなくても、それもOK。

 

制作した無数のサンプルのいくつかは、僕が「新作墓場」と呼んでいるボックスに納められます。サンプルを全てとっておくことはできないので、消化不良だなと感じるものや、今のところよく分からないものを優先して残します。毎回サンプルを制作するたびに、新作墓場はいろんな時間軸を含んだ、豊かなカオスになっていきます。

 

新作を作るときに迷ったら、「新作墓場」にアクセスすると、そこに答えがあったりします。

 

今回も制作を再開する時に、墓場から関連しそうなものを、机にならべ、それを眺め、また墓場に入れを繰り返し、のこったものを組み合わせ、制作を進めました。

 

もし今、「最終形を2回のサンプル作りで作れないなら、プロとは言わない。」
と言われたならば、「それでは、豊かな新作墓場が作れない。」と答えることと思います。

 

今回は特に、新作墓場の助けを借りて完成させることが出来たと感じています。

 

 


LGW14 - tiny wallet
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5

 

 

 

 

2024.4.16 | products

2024.4.3

card wallet

 

カバンの工房で働いていた頃の後輩からオーダーをいただいたき、財布を作りました。

そのお財布は、アメリカで使うので、ドル仕様でデザインしました。旅立ちの前にお送りするので、ひと足先に日本のサイズで制作しました。
小銭は使わず、カードとお札がおさまるお財布ということで、昔に作っていたカード財布をベースにして、今の感覚で、新たに作り直しました。
 
 
作っては眺め、作業台から、見えるところに置いておいて、気がついたら修正してを繰り返していたら、のめり込んでしまい、たくさんの試作を重ねました。
 
 
お札を入れる部分に膨らみを持たせて出し入れしやすいようにパターンを工夫しました。
カードもより入れやすいように、部分的に2mmから2.5mmのテーパーをつけ膨らみを持たせました。
 
完成したと、安心していたら、カードを取るときに、上からと下からでは親指の距離が若干違うことに気がつき、くり抜きは、センターから上に3mmずらし、視覚的にも少し軽やかになりました。
 
表から見たとき、上部が切りっぱなしなしで、さっぱりとした印象に仕上がりました。
 
昔作ったものを、今の感覚でアップデートするのは、楽しい作業です。作った当時と今の感覚の違いも感じます。今は余白を持たせたいんだなぁ、と作り直しながら感じていました。当時より、細かいところが見えるようになっているので、あぁ、少しは成長してるんだな、と感じることができました。
 
新天地に旅立つお財布ですので、なにかしらの応援になればと思いながら、デザインし直しました。
 
 
card wallet
size : w87×h98×d22 (mm)
card : ×12
 
同じような使い勝手を求められる方もいらっしゃるかと思い、online shopに アップしております。よろしければこちらからご覧ください。
 
 
2024.4.3 | information products

2024.4.2

grid & line

 
長年、取り組みたいと思いながらも、やってこなかった(というかできなかった)、装飾というテーマでopen caseを作りました。かれこれ、何年くらい自分の中にあったテーマだろうか?
 
去年の誕生日に、「憧れ」というタイトルでブログを書いたけど、それは、装飾というありかたへの憧れであった。このタネは、20代の中頃に、「シンプルさと個人になっていく社会の現象はリンクしている。」という文章を読んだときに蒔かれ、時とともに装飾への憧れに変容してきた。
 
たとえば、100年前、柱にライオンと人が彫っている建物のそばを散歩している母子がいる。
子供は問う「ねぇ、あれ何?」そうすると母は答える、「うん、あれはね」と言って物語が語られる。
 
おそらくつるんとした柱であったならば、そのやりとりは生まれない。
装飾は物語を共有(あるいは起動)する装置として存在しそれと同時に、そこに物語をよみとれる人たちがいる。
大きなものがたりの弊害のようなものがあるにしろ、動物や植物や風や、太陽や人間が織り混ざった世界の中で生きることは豊かだと思う。
 
シンプルを指向する世界では、個人は知らぬ間にさまざまなものから切り離され、物語を読み解くことも、そこに物語があるということも少しずつ忘れていくのかもしれない。
 
「シンプルさと個人になっていく社会の現象はリンクしている。」
の一文を読んだ時、僕が興味を持ったのは、じゃあ、シンプルがいくところまでいった時(それはそう遠くないように思われた、もしかしたらそれは今なのかもしれない)に、どのような形や、あり方にリアリティが宿るのだろうか?そして、人間のありようはどんな影響を与えるのだろうか?そして、そもそもその先は、どうやって探せばいいのだろうか?
 
そのシンプルの先の形に、装飾に求めるのは、いささか強引だとは自分でも思っている。
それは、形として現れるものではなく、日々の過ごし方や、人との関わり方や、言葉の使い方であったり、目に見えぬ、ささいなさまざまな事象に現れるような気がする。
 
ものだけでなく、ものとそれをつくる自分と、それに連なるさまざまなものをトータルに見てコツコツと風通しをよくしていく方が、賢明な道筋なのかもしれないと思う。
 
シンプルの先とやらを、シンプル ー 装飾という二項対立的な単純なものとして、とらえてはいやしないか?(シンプルー装飾という二項対立は素朴という言葉で統合できるけど。)
 
なんだか、話が大きくなりすぎてきた。作ったものを紹介する文章を書いているんだった。
 
 
ものをつくる人間は、感じたことを、ものとして現すことに喜びを感じ、それを作ることによって、いろいろな角度から、向き合い、考えることができる。
 
なので、いささかの強引さは、ここでは、少し目を瞑る。ものを考えるきっかけであり、そこに飛びこんでいくことなのだから。
 
僕にとって装飾は?と考えても、それは形ではないし、何かしらのモチーフでもない。
長年、取り組みたいと思いながらも出来なかったのは、装飾にたいして、自分のリアリティがまったくなかったからだ。(だから憧れていたとも言える。)
 
open caseの小さなサイズを作った時に、あっ今なら、作れるかもと思った。
 
それは、ここ1年間履いていた自分が直しになおしたズボンがあったから。
破れを補修したステッチを指先に感じる気持ちよさに、リアリティを感じることができたから。僕のリアリティは手で触れるということにあるようだ。
 
というわけで、自分の試みがうまくいっているのかどうかも分からないまま、自分が直したズボンに支えられて、ステッチを施す。
 
窓の外を眺めると、山桜がポワポワと咲きはじめていています。
 
 
 
grid & line」
 
少し柔らかな、スウェードにステッチで張りを持たせる。
間隔は、ミシンの1目の3.05mmを基調として考えてみる。
 
lineの幅は、どの幅が気持ちいいのか?
 
gridは何目であれば、open caseの形と連動してくれるのか?
 
印付けができない素材にどうやって、ステッチを入れる位置を記すのか。ステッチを入れると革が伸び、均等なステッチが入れられないのをどう解消するか?ステッチ問題に対しては、かなり原始的な方法で解決しました。
 
作りながら感じたのは、ひとりひとりがものがたり(ものがたりというかリアリティという言葉の方が適当かも)を見つけて紡いでいくんだ、ということ。装飾というテーマでしたが、自分にとって座標を消した中で、リアリティを探す旅であったように思います。
 
 
open case 
size : w188×h238(mm)
color :  light blue . chacoal ( grid & line )
 
 
 
online shopにアップしています。よろしければ、こちらからご覧ください。
 
 
2024.4.2 | information products

2024.3.14

コメル - 刻印

 

8年くらいANDADURAのお財布をお使いいただいている方から、ファスナーの修理のご依頼がありました。8年ぶりに再会したお財布には、お子さん3人の名前の刻印がありました。

修理とは別に、長男さんの大学の入学のお祝いにと、お財布に刻印を入れたい、とのご要望をいただきました。

刻印で打つ文字は、TOWEL(タオル)。タオルが手元にあると、落ち着くとのことで、長男さんが選んだ言葉。実際にTOWELの版を組み、刻印する。思いを込めた言葉を打つのは、気持ちいいなぁ。刻印を再開してみよう、という気持ちになりました。

ひとまずは、オンラインショップで、はじめてみます。

 

 

刻印のホルダーは金属加工の業者さんに「こんなの作ってください。」と図面を書いて作ってもらったものです。この道具を、また使えるのが嬉しいです。

 

 

 

 

フォントは、英字がバンハートメジウムゴシック、数字はゴウディ ボールド、
フォントサイズは4号(13.75pt)、築地活字さんの活字です。

 

刻印をご依頼いただく際は、文字の他に、言葉の理由についても、お伝えていただけたら(任意)、刻印を打つことが楽しくなり、山本が喜びます。

 

コメルはこちらからご覧ください。大切な言葉に出会えるのを楽しみにしています。

 

 

 

2024.3.14 | information

2024.3.4

open case

 

open case を新たなサイズで制作しました。

最初に作ったopen caseは、本を数冊を持ち運ぶ読者家サイズで作っています。
本1冊にスマホに財布が入るサイズがあった方が親切なのでは、と思うようになり制作いたしました。
 
前に制作したサイズのopen caseは、open case reader(読むひと)に名前を変更し、今回のサイズをopen caseという名前にいたしました。

本を数冊は持ち運ばないという方は、今回のサイズが合うかと思います。文庫・新書・単行本 + スマホ & お財布が入るサイズ感です。
 
黒の染料で染めたものですが、ネイビーのような色味のインクと、素直な革の色味のタンの2色です。
 
open case 
size : w188×h238(mm)
color :  tan . ink 
material : goat leather
 
open case - reader
size : w202×h265(mm)
color :  tan . ink 
material : goat leather
 
online shopにアップしています。よろしければ、こちらからご覧ください。
 
 
ー制作話ー

ANDADURAでは、革を使い切る工夫として、革を作る際に、部位によって切り分けて作っています。表に使う革は、繊維の細やかな部位が使える厚さで作り、繊維が少し荒い部位は切り分けて、内部パーツに使える厚さで作っています。

ただ、お腹の部位は、革を干すときに、タンニンやオイルがたまりやすく、そのため、同じ染料で染めても、色が濃くなってしまい、キャメルやブラウンなどの色は、違う色味になってしまいます。ですので、色の差の出にくい、ネイビーに回して使っていました。

全ての革のお腹部分がネイビーになるため、どうしても使いきれなくなってしまいます。
「山本さん、ネイビーのエン(お腹の部位)使いきれてる?」と革屋の佐藤さん
「いえ、なんだかんだで使いきれてないです。」と僕
「じゃあさぁ、全く作り方変えて、ソフトな仕上げにするのってどう?」
「今、open caseっての作ってまして、ソフトに仕上げて、open caseに使うのもいいかも、です。」

そして、ソフトに仕上げたエンでopen caseを作ってみる。エンは革を作る過程で少し縮み、また端っこ部分はパーツに入れたくなかったので、
少し小さめのopen caseを試しに作ることにしました。いろんなサイズを制作してみて、本1冊にスマホに財布が入るサイズがあった方が親切なのでは、と思うようになりました。
 
ソフトなエンで作ったopen caseは考えていたイメージとは少し違っていて、仕上げ方法を変えてみたり、お湯で革の銀面をふっくらと、させてみたりしましたが、着地できず。というわけで、少し小さめのopen caseは前と同じ、ゴートレザーで作りました。
 
エンが小さく仕上がったことで、違うサイズを試す良いきっかけになりました。このサイズのopen caseを見ていたら、試したいことが湧いてきました。うまく着地するかは分かりませんが、ひとまず手を動かしながら考えてみます。
 
open caseというアイテムを作るきっかけの話はこちら に書いてます。よろしければ、ご覧ください。
 
 
↑試作の1部。サイズを出すだけなのに、なぜこんなに試作したのか。完成した今となっては謎です。毎度のことですが。
 
 
2024.3.4 | information podcast

2024.3.4

\ First Rucksack colors /

 
さざなみの森さんといっしょに作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。
実験的に1点制作した色味のもので、紹介出来ていなかった色をonline shopにアップしました。ファスナーカラーの違いで、ずいぶん印象が変わります。イメージにぴったりな色味が見つかりましたら嬉しいです。
 
First Rucksack
 
広島にあります、認定こども園さざなみの森さん一緒に作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。さざなみの森の一角ではじまった minato: の活動として制作させていただきました。
 
リュックの色は、広島の田んぼ、岡山の田んぼを、それぞれ場所で眺めながら決めた、稲穂の垂れた秋を映す色。子どもたちへの成長の願いを込めた色です。
 
3歳から8歳くらいまで使えるサイズ感です。3歳頃はホックの開け閉めもまだ難しいので、開閉は簡単に操作できるファスナー。ファスナーの付け根には、開け閉めする動作を自分でしっかり行えるように、しっかりとした厚さを持たせた引っ張りを取り付けています。
 
肩ひもは肉厚感のある柔らかいテープ。ずり落ちないよう、肩ひもの取り付け位置も考慮しています。キーホルダー、ネームプレートなどを付ける小さいD管がついてます。minato: の織りネームは名前やメッセージを書き添えることができるよう、余白をもうけてます。
 
子どもたちに寄り添うファーストリュックになれば嬉しいです。
 
minato: 
さざなみの森の一角ではじまった さまざまなものづくりや場づくりを通して、一人ひとりが自分らしく生きていける世界へと向かう旅に寄り添う活動として、2021年に始まりました。
 
First Rucksack
size : w240×h305×d95(mm)
肩ひもの長さ:340〜540(mm)
 
First Rucksack color はこちらから  、さざなみの森さんの定番の5色はこちらからご覧ください。
 
 
【さざなみの森の風景】
 
 
2月末にさざなみの森さんにファーストリュックの納品に行ってきました。ファーストリュックをお届けするのは、今年で4度目です。
(写真は 0〜2歳の乳児のための施設、ノイエです。ノイエの一室で作業しました。)
 
 
いろいろな話をしながら、タグをつけ、整え、袋に入れて、お渡しできる状態にしました。
手を動かしながら、ゆっくりお話しできるのは、子供の成長のスピードが早い4歳児の父としても、ありがたい時間です。
 
 
 
今回も家族で伺ったので、さざなみの森さんの園庭で一緒に遊びました。園庭にある小屋では、卒園する子供たちと、河合悠さんがロウソクを作っていました。子供たちは、手作りの遊具や、トンネルや、船(本物の船!)コマ、竹馬や、紙飛行機を飛ばしたり、サッカーをしたり遊びまわっていました。
 
ゆっくりと園庭で過ごしてみて、遊んでいる子供たちが、キラキラと生き生きとしていることに、あらためてビックリしました。
トンネルの入り口にあるタイヤの隙間に潜り込み、おしゃべりをしている子、ブランコをおもいっきり漕いで天に届きそうな子、高いところからジャンプして、どやっ!と誇らしい表情を見せてくれる子。コマ回しで戦いを挑んでくる子。それぞれが、目の前にある遊びに熱中していました。
 
教室の入り口にある棚に、ファーストリュックが並んでいて、使われている風景を眺めていました。生き生きと動き回る、子供たちの使うリュックは、しっかりと使われていて、リュックとしての運命をまっとうしているかのようでした。そのクタッとして、使い込まれた姿は、作り手にとって最高の風景でした。
 
 
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。
リュックの縫製をして下さっている、Sally-ally長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。
 
それにしても、子供たち生き生きとしていたなぁ。
 
 
 
 
2024.3.4 | information products

2024.3.4

key strap 

 
key strap 
 
 手首に通して使える、キーストラップを定番の革で制作しました。
 
key strapは、シルバーの金具で作っていますが、先日紹介した、カラビナと合うように、ゴールドに合うネイビーで制作したくなり、定番の革で作りました。
 
手首に通して使う際は、柔らかな素材の方が気持ち良いですが、堅牢な革を薄く貼り合わせ、コバも仕上げて、スッキリとした佇まいに仕上げました。柔らかい革とは、ちがった良さがあるかと思います。
 
key strap
size : w12mm
length : 185 mm (キーリング含む)
online shopにアップしています。よろしければこちらからご覧ください。
 
 
2024.3.4 | podcast
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