2024.8.14
colors・ホック & ベージュファスナー
2024.7.18
額縁の枠のかたち
あっ、もしかして、スウェードではなく、額の方で使うのに、ぴったりな作り方ではないか、と気がつき、長年の宿題を解くかのように、嬉々として、フレームの形状を考えました。
枠のかたちは、くるくると向きを変えたら、4つの異なる額ができる形になっています。一粒で4度おいしい。
2024.7.18
額のデザイン
2024.4.16
tiny wallet
小さなお財布 を作りました。
お財布のレンタルの際に、感想を書いていただくカードサイズの用紙を同封していていましたが、こんな小さな用紙には収まらないから、とメールでとても細かく感想をいただきました。こんなお財布があったら、との要望も具体的に書いてくださっていて、それを読んでいると、このお財布を作ってみよう、という気持ちがむくむくと湧き上がってきました。去年の8月のことです。
一番最初に、一つのパーツで構成されたお財布が出来ました。それはそれで面白いのですが、扱うときに集中が必要なお財布でした。そのお財布を使っていると、マニュアルとオートマという軸が出てきました。
このハイパーなマニュアル財布はリリース出来そうにないけど、扱うときに心地よいマニュアル感ってあるはずだ、と思い、その座標軸をもとにして、お財布を考えてみようと思いました。オートマからマニュアルまでのサンプルを作り、心地よいマニュアル感はこの辺りかなと切り取ったのが、このtiny walletです。
去年は寸法を、数字で細かく計算しながら進めていましたが、なんとなく計算してたら完成しないような気がしたので、今回は細かく計算するのはやめて、サンプルを観察することに重きをおいて、進めました。
心地よいマニュアル感が奈辺にあるのかを探すのは、初めてのことでしたので、いつものごとく、もりもりサンプルをつくりました。
独立当初に僕が嬉々として何度もサンプルを作っているのを見て、(おそらく老婆心として)「最終形を2回のサンプル作りで作れないなら、プロとは言わないよ。」と言われたことがありました。まぁ、そんなにサンプルに時間をかけていたら、食っていけないよ。というニュアンスが込められていたように思います。
まぁ、そりゃ、そうだよな。と思うところもあったのですが、それよりも、2回で完成させなくてはダメということを自分に課してしまうと、2回で完成するものしか思い浮かばなくなるんじゃなかろうか?
それから、その言葉のおかげで、新作作りのサンプル制作は、趣味のようなものと位置づけできるように、仕事の仕方や環境も組み直していきました。前にも増して、自分が納得いくまで何度やってもOKにしました。2回で完成するのなら、それもOK。完成しなくても、それもOK。
制作した無数のサンプルのいくつかは、僕が「新作墓場」と呼んでいるボックスに納められます。サンプルを全てとっておくことはできないので、消化不良だなと感じるものや、今のところよく分からないものを優先して残します。毎回サンプルを制作するたびに、新作墓場はいろんな時間軸を含んだ、豊かなカオスになっていきます。
新作を作るときに迷ったら、「新作墓場」にアクセスすると、そこに答えがあったりします。
今回も制作を再開する時に、墓場から関連しそうなものを、机にならべ、それを眺め、また墓場に入れを繰り返し、のこったものを組み合わせ、制作を進めました。
もし今、「最終形を2回のサンプル作りで作れないなら、プロとは言わない。」
と言われたならば、「それでは、豊かな新作墓場が作れない。」と答えることと思います。
今回は特に、新作墓場の助けを借りて完成させることが出来たと感じています。
ー
LGW14 - tiny wallet
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5
2024.4.3
card wallet
カバンの工房で働いていた頃の後輩からオーダーをいただいたき、財布を作りました。
card : ×12
2024.4.2
grid & line
2024.3.4
\ First Rucksack colors /
2023.12.22
key strap & link strap
あたらしく、key strapとlink strapというアイテムを作りました。
裁断して残った小さな革を使って制作する、Over the rainCowのアイテムとして、スウェードの革で作りました。
Over the rainCowのアイテムを作るのは、簡単なようでいて、難しいです。
key holderは指にちょこんと引っ掛けて、
key strapは手首に通して持つことができます。
link strapは、カバンの持ち手と物をつなげるアイテムです。
なくなっていく素材との別れをとおして、素材というものが、あんがい儚い存在であると感じた。
ロスがないように工夫しているはずの革作りも、実際には余っていて、全部使えてはいない。(革の作り方も、変えることにしましたが、それはアイテムを作ったときにお話しますね。)
素材を大切に扱わないと、素材はどんどん無くなっていく、みたいな意識もある。
2023.10.16
constellation / jiji - FLAT
和歌山で、お洋服を作っているjijiさんと今年も一緒にカバンを作りました。
私が子どもの頃 母がよく使っていた黒いスエードのカバン
それは細くて長い持ち手にマチもポケットも無いような
とても簡素なつくりのカバンだった
特にこれといったデザイン性があるわけではないのに
なぜかそれは私の記憶にずっと残っていて
いつからかそんなカバンが欲しいと思うように
ある時共通の友人を介してANDADURAの山本さんと出会い
私の記憶の中から山本さんによって切り出され 出来上がったのが
”FLAT”と名付けられたとってもシンプルなつくりのカバンです
2023.9.15
open case
オープンケースは、ブックカバーを僕なりに再編集したものです。
ANDADURAを始めてから、「ブックカバー作らないの?」
と要望をいただくことがあり、自分なりに考えてはいたのですが、いいのが生み出せずにいました。作ろうと思えば、本のサイズでカバーを作ればいいだけなのですが、自分が作る必然性を感じることが出来ない。
というのも、僕は乱読気質といいますか、何冊も同時並行で読みます。
その日にパッと目に入った本を数冊持っていくので、その都度ブックカバーをつけかえることが朝の忙しい時間には出来ません。
ブックカバーというアイテムは、1冊の本を読んだら次の1冊、という読み方が前提になっていると感じます。
さらには単行本、文庫本、新書などさまざまなサイズがありますので、各サイズごとにカバーを買ってもらわないといけないの?それってアイテムとして、作る必要があるのだろうか?分からない。
乱読気質の人間にとって、持っていく本に合わせてブックカバーを付けるという作業は至難の業です。さまざまな場所で本を読みますし、「あっ、新書のブックカバーどこにあたっけ?」とカバーを探しても見当たらず、仕方なしに、カバーなしで持って行くようになります。そして、ブックカバーは本棚の中に鎮座するようになりました。
本にはいろんなサイズがあり、さまざまな読み方がある。それらをクリアしたものでないとブックカバーは使わなくなる宿命にあると感じる。どうやったらブックカバーを作るリアリティーを見出すことが出来るんだろう?
ちなみに、手帳カバーは、ずっと付けたままですので、要望いただいたら制作していました。
そのようにして、ブックカバー作れない問題は保留になったままでした。
「ブックカバー作れますか?」
「ブックカバーって難しくて作れないんです。」
「???」
何故作れないのか?その訳を話すと長くなり伝えられないことも多く、お財布より作るの簡単そうだけどなぁ?と怪訝そうな表情に、複雑な心持ちになりました。
4年くらい前だったか、篠山に本の展示を見に行った時。
そこに並ぶ本は古本なのですが、佇まいが、すごく大切にされていている、と感じました。
その展示の帰り道。購入した本を眺めながら、この本は大切に扱わなくてはと、その場所から本を扱う姿勢のようなものもいっしょに手渡されたように感じました。
「この本たちにはカバーが必要だ。」
そのようにして長年放置してあった、ブックカバー問題にチャレンジすることにしました。普通のカバーではなく、どんなサイズの本も、いろんな読み方も受け止めてくれる。そんなカバー。
そして、借りた本を持ち運ぶ時、クリアファイルに入れていたことを思い出す。
クリアファイルは立体のものを持ち運ぶようには出来ていないから、数日経つ頃には、かなり切ない姿になりますが、本は汚れない。
そうか、クリアファイルを作ればいいんだ、なぁんだ、簡単じゃん。と、帰りの道中には長年のブックカバー問題への自分なりの答えのようなものが見えていました。
そして、すぐに試作を作りました。
革の適度な厚みとクッション性は、ipadのような大げさなケースには入れたくないけど、少しの保護があった方がいいものを入れるのに適しているとも感じました。そのようにして、サイズ感を模索する、ワンサイズにするのか、2つサイズを作るのか?素材は何の革を使うのか?
「簡単じゃん、と言っておきながら、なんで4年も経っているの?」と思われるかもしれません。適切な素材を見つけることが出来ずにいました。出来ないのが悔しかったので、オープンケースを元にしてFlat Shoulderなどのアイテムを作りました。 (その辺りの経緯は「憧れ」というタイトルでブログに書きました。
いいかもと思える革が見つかりました。ANDADURAの革を作ってくださっている佐藤さんの作る、銀すりゴードです。ゴードは少し柔らかいのですが、自分で銀面に熱を入れ、心持ち固さを持たせました。
さて、open caseは、乱読者向けのブックカバーとしても使えますし、ipadなど少しの保護が必要なもののケースとして。その名の通りオープンになっていますので、出し入れはスムーズに行えます。
ひとまずは完成までの経緯のようなものを書いてみました。
open caseが生まれる、きっかけを下さったのは、aurora bookさんの「光を灯す時間」という展示でした。おそらくそんなきっかけを与えたであろうことは知らないと思いますので、この場でお礼をしたいと思います。ありがとうございます。みごとに灯されました。