ANDADURA

BLOG

2026.2.18

Flat shoulder + grid +

 
以前に装飾というテーマで制作した grid & line でFlat shoulderバージョンを制作しました。
grid & line を制作した後、これでカバンを制作しようと思っていましたが、気がつくと2年弱経っていました。
 
今回は grid 模様で、色はネイビーとグレージュです。ネイビーは同色糸でグレージュは明るめのグレー糸です。
 
グリットの位置が表裏で揃っていることと、グリッドサイズと本体のバランスを考えたら、ミシンで12目(37mm)のグリットになりました。Flat shoulder - grid はFlat shoulder miniよりほんの少し大きいサイズです。
 
グリッドはミシンでステッチ入れています。普通に縫うと、糸の張力で革が伸びたり縮んだりして、グリッドの間隔がまばらになりますので、グリッドをプリントアウトした紙を伸び止めとして使い上から縫い、縫った後に裁断して組み立てていきます。
 
グリッドが交わる部分に注意しつつ縫う時は、「わたしは今、縫っている。」という意識が必要で、そもそも革は、縫い損じると針穴が空き、革が使えなくなりますので、ミシンの前に座ると縫うことに集中する体になっています。そう考えると、ミシンは、いまここマシーンですね。(ミシン瞑想という言葉もあるくらいです。)これまで、ミシンで縫い損じて革が使えなくなったことは1度もないですが、ミシンで縫い損じた時に、どんな気分になるのだろうと想像しますが、その時になってみないと、まったく分かりません。
 
 
Flat shoulder - grid 
size : w188×h238(mm)
shoulder length : 850〜1250(mm)
color :  greige . navy
 
 
【雑記】
 
年が明けてから、去年にやろうと思いつつ出来なかったことを、ひとつひとつ進めています。椅子の張り替えや、染め直しなど、さまざまな身のまわりを整えることを地味に行っていました。
旧正月までには終わらしたいな、と思いつつも、まだ、破れたタイコ皮の張り替え、椅子の修理が僕を待っています。椅子は何度直してももほぞが緩んでくるので、地獄ほぞというほぞ組みにチャレンジしようと思っています。ひとつひとつ終わらして、頭をやることから解放してこれからのことを考えようと思っています。
 
考えることは無数にありますが、考えたからってどうなるわけではなさそうなのが、昨今のデフォルトになっている気がします。むずかしや、むずかしや。
 
 
2026.2.18 | information products

2026.2.3

鉄 黒

 
 
 
黒の革でお財布を制作しました。
去年の秋ごろに、黒の革でお財布作れませんか?とのメッセージをいただきました。
その頃は黒の革を作る予定はなく、その旨をお伝えしました。
 
今年に入ってから、木のタンニンに鉄を反応させ黒染めしていたことを思い出し、同じタンニンということで、革も同じであろうと、鉄媒染液を作りはじめました。
 
酢に(匂いがきつくないリンゴ酢)鉄を溶かし、鉄媒染液を作る。
酢の鉄媒染液は、匂いもきつく、酢に浸かった鉄からは、気泡が出ていて、たまに空気抜きが必要な少しハードな液体で、あまり革に塗布したいとは思いませんでした。
 
ふと、タンニンが鉄を溶かすことを思い出し、緑茶で鉄媒染液を作ることにしました。
 
緑茶に入れた鉄は、気泡も出ず、匂いも鉄の匂いがするくらいで、これなら、使える。
タンニンが鉄を溶かし、その鉄が革のタンニンに反応し、黒く染まる、というサイクルもなんだか良い。
 
あるものを使うというのが、最近は心地よく、黒く染めた革を作るのではなく、手元にあるネイビーの革をベースにしました。
革を鉄タンニン液につけ込み、その後水洗いして、影に干す。水分が飛んだ革は、一緒にオイルも抜けているので、オイルもちょうど良い加減になるまで少しづつ塗布して、
アイロンで成形しました。
 
昔に作った染料染めの黒の革と比べると、染料染めの黒は、赤みのある黒ですが、鉄黒はベースがネイビーということもあるのか、青みのある柔らかい黒です。
 
シルバーのホックを打った時に、黒は黒の良さがあるなと感じましたので、いくつか鉄黒で制作しました。オンラインショップにアップしています。
 
よろしければ、ご覧ください。
 
 
 
2026.2.3 | information products

2026.1.26

ファーストリュック 2026

 
毎年の恒例行事、広島にあります、さざなみの森さん子どもたちのファーストリュックの納品に行ってきました。
 
ちょうど、お餅つきの日でしたので、餅つきをして、おしるこをいただき、たくさん遊んだ後に、カバンをお渡しができるように、タグをつけ、不織布に入れる作業をする。毎年恒例の手を動かしながらのおしゃべりも楽しみました。
 
子と竹の棒で小一時間チャンバラをしたり、(いろんな方に勝負を挑んでいた。)一緒にご飯を食べたり、たくさんおしゃべりをしたり、はじめましての嬉しい出会いもあったりして、リュックの納品に行ったものの、こちらがたくさんのものをいただいている、そんな1日でした。
 
ファーストリュックを作り始めたのが、2021年ですので、今年で6年目です。その間にいろんなものごとが、すごいスピードで変化しているように感じます。
 
 
そんな中、園庭の植物は毎年少しつづ成長し、庭の柵は、枝を使って作られていたり、皆が仕込んだ味噌壺が並んでいたり、お餅つきのもち米が、園の皆で作ったものだったり、生活に根ざしたものの中で過ごすことは、すごく安心します。新しく始められた、小学生のフリースクールの場で、子供たちが半年かけて掘った穴も見ることができたのも良かった。
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、はじめましてのみなさん、今年もありがとうございました。
 
リュックの縫製をして下さっている、Sally-allyの長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。毎年言っていますが、生地やファスナー、ショルダーのテープ、糸や、プラパーツなど、作って下さっているメーカーの方々にも、ありがとうございますと、大きな声で伝えたいです。
 
 
毎年、リュックの納品の時は定点観測として、ものづくりの状況を確認する機会になっていましたが、今年は、そんな俯瞰したところから、ものごとを見るより、自分自身も入り込んで、たくさん味わったことを、じっくり体に染み込ませたいと思う、そんな納品でした。
 
 
2026.1.26 | information products note

2026.1.22

□ new box □

 
ANDADURAの箱をリニューアルします。
 

2年ほど前から、少しづつ作っていたものが、ようやく形になりました。1つの抜き型で薄と厚の2種類の箱が作れる仕様で、制作(裁断まで)はこれまでと同じく、竹内紙器製作所さんにお願いしました。

 

当時、運送会社さんで、置き配が標準になるとか、運送形態が変わるというニュースを度々目にしました。これまで直接渡しの安心感があり、宅急便でお送りしていたけど、ポストの中にある方が、安心な場合もあるのではと思いました。クリックポストでも送れるようにして、配送方法は、安心な方を選んでいただける方が親切だよな、と思い新しい箱をコツコツ考えました。

 
これまで、たくさんのクリックポストを送ってきましたが、紛失もなく、追跡もあるので安心してお送りできています。
 
箱のサイズは、現在の小、中、大の3種類から、中薄、中厚、大薄、大厚の4種類となります。(小に収めていたものは、中に入れます。)まだ現在仕様の中の箱が沢山ありますので、宅急便を選ばれた方には、旧箱でお送りします。

online shopで宅急便のみだったアイテムをクリックポストでお送り出来るようにしました。それと同時に、クリックポストのみでの発送だったものも、宅急便と選べるようにしました。安心できる配送方法を選んでいただけたらと思います。
 
配送形態を変えるという地味なお知らせですが、大切なことと思い、新作を出すように考えました。というか、これこそが、新作ですと言いたい気分でもあります。
 
クリックポストには、補償がないですが、紛失した場合、こちらからお送りしますので、安心してご利用ください。10年に一度あるかないかの紛失を心配するより、自分で補償すればいいって話ですものね。
 
 
 
 
制作話
 

これまでのANDADURAの箱は、小、中、大の3種類あります。箱の高さは厚みのあるアイテムに合わせて決めていましたので、薄いアイテムでも、その高さに合わせて納めることになります。必然的に宅急便コンパクトでしか送れないサイズになります。
 
クリックポストで送れるように、薄型の箱をプラスして作ることも考えましたが、3種類の箱に、高い低いで2種類作っていたら、箱が6種類になる。その1種類でも在庫がなくなったら、発注するとなると、箱の在庫がスペースを埋め尽くしそうで、少し気が重い。

それならば、箱はこちらで組み立てるようにしよう、と今回は、抜き型で作ることを前提に箱を考えました。1つの抜き型を作り、その型で全型作れたりしないかな、と終わりの見えなそうな、試作を始める。作業の合間に少し作り、中断したり、再開したりしながら進めました。
 

進めていて、「できるのか?これ。」と思いはじめたところで、ANDADURAの箱をお願いしている、竹内紙器さんに要望を伝えると、さっそくサンプルを作ってくださいました。1型で全型作るという現実感のないプランを、2つの抜き型で4型という現実的なところに着地できたのは、竹内紙器製作所の堀木さんのおかげです。ありがとうございます。
 
抜き型を作るというのは、僕の中では、贅沢な行為で、クリスマス頃に工房に届いた箱は、まさに自分へのプレゼントのようでした。

今回の箱は組み立てられていない状態で工房に届き、コツコツと自分で作ります。同じ抜き型で薄と厚の箱が作れます。箱を考えていく中で、ものが送られる事にまつわることをスムーズになるような箱にしたいと思いました。ANDADURAからお送りする際も、小さな箱で送れ、竹内紙器さんからも、小さな箱で届く。工房に置いていてもスペースをとらない。風通しを良くするようにと考えました。前の箱はギフトという観点から作っていましたので、その違いが味わい深い。
 
 
抜き型は、ANDADURA工房で保管するので、抜き型も送っていただく。抜いた紙を押し出す、緑色のスポンジが爽やかな気分にしてくれます。
 
 

箱の変更に伴い、関連するパッケージもいくつか変更しました。簡易梱包のためのダンボール枠も、ボール紙に変更しました。
昔使っていた抜き型をそのまま使い作りました。(最近はあるものを使う、というのにはまっています。というかずっとそのことをやっている気がする。)カットラインを入れるガイドを作ったり、あれこれ新調しました。
 
↑これまでの箱の収まり
 
 
いろんなアイテムをどう入れるかを試した時、LGWC01・小銭入れの収まりは、なかなかに色っぽいと感じました。
 
 
 
2026.1.22 | information products

2025.9.25

mat

 
台湾でレストランをはじめられる方から連絡をいただき、ランチマットを作りました。
 
マウスパッドを見て、ご連絡をいただきましたが、マウスパッドはランチマットにするには小さすぎること、革は洗えないので、ランチマットに適している素材とは言い難いことをお伝えしました。
 
それでもOKとのことでしたので、やりとりをして、ご希望のサイズで制作しました。カラーはネイビーで制作しました。
 
ご連絡いただいたのでは8月で、そのころは開店準備中とのことでしたが、オープンも近づいているのかな、と想像しています。どのように使っていただけるのか楽しみです。
 
 
革を作る際に、革を部位ごとに切り分けて適した部位で使います。少し前に、実験的に、厚めのヌメのままでお願いしたものがありましたので、その革で、マットを制作しました。革の厚さは、国産の原皮ですので、2.2mmほどの分厚すぎない厚さです。デスクマットというには小さいサイズですが、手紙などを書く下敷きにはいいサイズかと思います。
 

 

mat


size : w260×h226 mm
color : natural
 
 
online shopにアップしています。よろしければご覧ください。
 
 
2025.9.25 | information products

2025.8.30

constellation / jiji - SLANT


 

和歌山で、お洋服を作っているjijiさんと今年も一緒にカバンを作りました。
今年で3型目です。

最初のカバンを制作する時から、jijiの引網さんにイメージを聞いて僕が形にするというのが、自然とjijiさんとの恒例の作り方になっています。

今回もサイズ感、イメージをお聞きし、一旦、自分の中に取り入れる。イメージが遠くまで動くように体調を整え、カバンのイメージをする。
斜めになったカバンを身につけた人が出てくる。試作を重ねて、イメージの中の線を探す。イメージを追いかけるように作るのも、毎年恒例の作り方ですが、毎年テーマ(気分とも言う)みたいなものは少し変わっている気がする。

タグやパッケージは僕が(打ち合わせもなく)勝手に作るというのも、毎年恒例のやり方。カバンと同じ角度に傾いた文字が、タグの穴位置をずらすことでタグが傾き、文字が平行になるようにしました。

これまでの2型は「FLAT」という名でしたが、「何か微妙に違うよね。」と引網さんは、このカバンに「SLANT」と名付けて下さいました。毎年恒例なことも嬉しいし、少しずつ変わっていくのも嬉しい。そんな風にできた「SLANT」をよろしくお願いします。

 

 
jiji 引網さんより
 
私は基本的に過度なデザイン性のあるものは好まないので、シンプルなANDADURAのカバンは日常使いにとてもよく馴染みます

今回新たに制作を依頼したカバンは、機能性を重視したアシンメトリーなデザインで、物の出し入れをしやすくするために傾斜がつけられています

ただ、実際に肩にかけてみるとその傾斜はほとんど目立たず、きちんと機能性を備えながらもシンプルに見える佇まいがとても気に入っています
 


SLANT
size : w352×h285 mm
shoulder length : 790mm
color : graige . navy
 
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jijiさんのONLINE STOREでご覧いただけます。
 
 
2025.8.30 | information products

2025.3.11

ファーストリュック 2025

 

毎年恒例、広島にあります、さざなみの森さんへ子どもたちのファーストリュックの納品に行ってきました。
 
タグをつけ、不織布に入れ、カバンをお渡しができるように、さざなみの森の松井さんと一緒に作業する。毎年恒例、手を動かしながら、いろんなお話をする。新しい試みの話、大人のあり方についての話。いのちの話。手を動かしながらのおしゃべりは話がいろんな方向に転がって楽しい。
 
 
今年はいままで使っていた生地が織られなくなったので、生地を作る(生地を選んで染色する)ところからのスタートになりました。前の生地は雲斎織という足袋に使われる生地で、同じような生地を探し出し、染色することは、自分だけだと少し不安を感じたので、生地作りの達人、ENDORの信平さんに協力いただきました。
 
ファーストリュックを制作することで、普段の領域とは違う、ものづくりをめぐる状況を見られる、年に1度の定点観測。
 
染色のロットが数メートルから出来ていたものが、1反からになっていたので、染める前の生地でサンプルを作っていただきながら、染色後の変化などは、想像しながら生地作りを進めました。
 
今回の制作では、一回性という言葉がたびたび頭に浮かびました。同じものを作り続けると言っても、毎回状況は違う一回性の出来事だということを改めてひしひしと感じました。
 
生地や資材が、どんどん廃盤になっていく中、どうやって継続しやすいようにするかを、考えることが多くなりました。制作にまつわる流れをこれまでより引いて見て、可能性に開いた状態にして、柔軟に対応できるようにしておく。そのことがらについても、対話し共有しておく。これまでとは違う筋肉が必要になってきているのを感じます。
 
そんな中、生地やファスナー、ショルダーのテープ、糸や、プラパーツなど、作って下さっているメーカーの方々にも、ありがとうございますと、大きな声で伝えたいです。
 
リュックの縫製をして下さっている、Sally-ally の長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。さまざまなことが起こるなか、対話を重ねて進めることができたことに手応えを感じました。
 
ものごとが流れにくくなっている一回性の状況に、よきことを見出そうとするならば、対話する必要性が生まれている、ことかもしれないと思いました。どちらかの意見を押し通すのではなく、それぞれが思っていることを率直に話し、お互いに納得できる落とし所を探す。そんな姿勢を意識した、今年のファーストリュックの制作でした。
 
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、今年もありがとうございました。
 
今年も無事納品できてホッとしています。
 
(写真の園舎は、0歳から2歳の施設、さざなみノイエです。)
 
 
 
2025.3.11 | information products

2025.2.28

mouse pad

 
スーパー楕円のマウスパッドを制作しました。
 
作りましたと言っても、ANDADURAを初めてすぐに作ったものなので、14年前に作ったもの。その後、たまにオーダーいただいき、制作していたものです。
 
制作した、その時のことを思い返してみると、「中間」とか「間」をすごく意識しながらモノを作っていた気がする。
中間というものは設けられているわけでもなく、何かと何かの間に、ピンを落とし見出すものだと考え、さまざまな中間を探していたように思う。
 
マウスパッドを作った時のブログを読んでみると、




なぜ中間がこんなに好きなんだろうかと考えると、中間というものが、作られたモノだからという気がする。
楕円や四角は元々あるがその間には深い溝(というより別々に存在している)があり、そこに中間を見いだそうとする事で、中間というものが出来るのである。
それはまるで手品のようで、ワクワクする。

 
と書いてある。(←他人ごとみたいな言い方になっているけど、14年前の自分は、同じ自分じゃないように感じる。)
そして、こうも書いてあった。
 

人は夢と現実の間で生き、社会と個人の間で揺れそこにバランスを見いだそうとする。
と考えると、中間を見いだそうとする事は、もともと備わっているものなのかもしれない、原始的に。
 
 
うーん、それは、どうなんだろう。少し強引な気がするぞ。(やっぱり別人だ)
まぁ、それほど中間に惹かれていたみたいです。
このマウスパッドは、円と四角の中間のスーパー楕円と呼ばれている形、
ストックホルムにある、セルゲル広場の形にも使われています。
 
 
マウスの下にはストックホルムの広場が、と考えると、なんだか楽しくなりませんか?
煮詰まった時は、公園でデートするカップルやジョギングに励むランナーを思い浮かべ
ふわっと和んで頂けたら…

 
だそうです。
 
キャメルとブラウンの革で制作し、online shopにアップいたしました。
よろしければ、ご覧ください。
 
ちなみにマウスは愛機M558です。(廃盤になっても使いたいので、予備をひとつ用意しているお気に入りです。)
 

mouse pad
size : w190×h165 (mm)
 
 
2025.2.28 | products

2024.12.21

/ oblique /

oblique=斜め」という切り口で、小銭入れ、マチ付きポーチM、Lの3型を作りました。
 
 
cion case
size : w105×h68×d10 (mm)
material : suede
 
小銭入れ。最初にフッと作ったのは、何年前かは覚えていませんが、チャコールのスウェードで作ったこともあり、ネズミと呼んでいました。
その当時は、同系の革色に手持ちがなく、そもそもなるべく単一の素材で作りたいという意図もあり、ありもののファスナー引き手で着地させようと思っていましたが、組み合わせに納得できないこともあり、ボツにしました。今は、いくつかの革色が工房にあること、単一の素材でなくてもいいな(引き手だけ色が濃くなっていくのもいいなと思える)と思えたこと、「斜め」という切り口を得たことで、制作してみようと思いました。
このかたちは、自分でも少しよくわからない部分もありますが、ずっと気になっている存在でした。気に入っていただける方、いらっしゃいましたら嬉しいです。ネズミと言いながらも、異素材を組み合わせられることが嬉しく、ネイビーでも制作しました。
 
 
 
d pouch M
size : w162×h98×d45 (mm)
material : goat & suede
 
d pouch L
size : w220×h130×d65 (mm)
material : goat & suede
 
 
dポーチは、MとLの2サイズ制作しました。引き手は同系色の革を用い、ファスナーの生地はグレー味のあるベージュにシルバー金具です。
 
素材は、スウェードと銀すりゴードで制作しました。スウェードはチャコールとネイビー、銀すりのゴードは、ANDADURAの定番の革を作ってくださっている、佐藤さんが作っている革です。黒の染料で染めたものですが、ネイビーのような色味のインクと、素直な革の色味のタンの2色です。黒染料のインクの色味と引き手のネイビーが合うのは、同じ佐藤さんの革だから色が合うのかな?と、組み合わせられる喜びを感じました。
 
dポーチのdは、奥行きをあらわすdepthのd、日常の小物を入れることを想定して作りましたので、dにはdayも少々かかっています。
 
 
online shopにアップしています。
よろしければ、こちらからご覧ください。 
 
 
 
ー長めな制作話ー
 

手を動かしながら、新しいものを作る。

前の展示会に在店していた時に、「ポーチをスウェードではなく銀面のある革で作ってみよう」とフッと思ったので、ひとまずはそこを起点に、革屋の佐藤さんが、柔らかく仕上げてくれた革で試作してみる。
 
今あるポーチは四角いタイプなので、台形で試作する、ファスナーのパーツで間口が狭くなるので、口元を少し広げる形は試してみたいと思っていた。
そういえば、斜めの線を用いたことはあまりなかったなと、ふと思う。何度も台形の形を試みるも、斜めの線が、少々作為的すぎる。何ミリでテーパーをかけようが、作為感は消えてくれない。さて、斜めをどう扱おうか。
 
「斜め、斜め、斜め。」
 
斜めという言葉が、頭のなかに浮かぶと、ブライアン・イーノ氏が作った「oblique strategies」(直訳:斜めの戦略)というカードの名が思い出される。
このカードの愛用者(カードは手に入らないのでブラウザ版を愛用)でもあるので、「oblique strategies」と頭の中で唱える。strategies・戦略かぁ、と頭の中で「斜めの戦略、斜めの戦略」と唱える。台形で斜めを生むのではなく、結果として斜めを生むかたちの方が、戦略的でもあるし、斜めという線も楽しめそうだ。マチができると、必然的に斜めの線が生まれる。いいね。そうしてみよう。oblique strategies」という言葉に引き寄せられながら、作り方の輪郭がぼんやりと見えてくる。
 
台形ポーチはボツにして、新作墓場(ボツになった試作たちが眠る箱)行きにする。ずっと前に作ってボツにしていたマチ付きのポーチに着眼する。新作墓場から取り出して、眺め、今回の作り方では、これを起点にしてみようか。ボツにしたその頃は、素材をうまく組み合わることが出来なかったけど、今は様々な色や、素材が工房にあるので、なんとか組み合わせられるかもしれない。
 
ネズミみたいな小銭入れも、ずっと前に試作して、「なんだかよく分からないものができた。」(このアイテムもパーツの組み合わせがうまくいかなかった)とボツにしていたけど、斜めという切り口を得て再浮上。よく分からないながら、ずっと気になる存在でもあり、たまに新作墓場から取り出しては、
眺めていた。ネズミと呼んでいたので、当時試作していた、チャコールのスウェードで作ってみる。眺めて、使っても、なんだかよく分からないなぁ。と思う。しかしとても何かが気にもなる。
 
今年は、「なんとなく」という言葉に、いつもより力点を置いてみようと思っているので、出してみることにしました。
 
「なんとなく」を携えると、さまざまなものに影響されながら、フワフワと新作が作れるようで、新鮮な感覚です。そのフワフワとした作り方は、なんとも謎で、これを意識してやろうと思っても、無理なんだろうな。今回も新作墓場から多大なるサポートを受けながら完成。過去の自分よ、ありがとう。未来の自分宛に、いろいろと新作墓場へ送り込むこともできました。よし。
 
 
2024.12.21 | products

2024.11.11

LGP02 のサイズアップ

 
ご要望いただき、LGP02・トレーペンケースをサイズアップして制作しました。
ボールペンやシャーペンは140mm前後が多いですが、中に入れる予定の色鉛筆は170mm。
 
色鉛筆は削って使うので、短い長さのものも含まれることを考慮し、ペンケース自体が
大きくなりすぎないよう、必要最低限のサイズアップを提案しました。
 
最初はメールでやりとりしていましたが、電話をいただき、お話しながらサイズ感を決めていきました。やはり、話し合って決めていけるのは、誤差が少ない気がします。
 
ペンケースのバランスが崩れないよう、縦横比は変えずにサイズアップした型紙を作りました。定番のものより、少しゆったりとしたサイズ感です。
 
お届けした後に、「理想通りのサイズ」とのメッセージもいただけて、ひと安心しました。
 
鉛筆を多く持ち運ばれる方は、こちらのサイズがいいかと思います。こちらのサイズへのサイズ変更は+1.100円(税込)です。ゆったりとしたサイズへの変更をご希望の方は、ご連絡いただけたらと思います。
 
 
2024.11.11 | products
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