ANDADURA

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2017.11.3

工房日誌とレポート

本日の工房とayanoレポート

気温22℃ 湿度50%


今週は西日本における革産業の拠点、姫路のレザーフェスティバルがあること
教えていただき足をのばすことにした。
ANDADURAの革は栃木レザーをベースに使用しているが、
西日本に引っ越してきたこともあるので初めての姫路へ。

肝心な写真を撮り忘れるという失態をしてしまったが、
姫路にて革製品を作っている福本さんと林さんに案内していただき革の工場にも
伺うことができた。中でも印象的だったのは、明治から創業されているという大谷さんの
工場のドラム(革を入れて回す機械)。
木製でできたドラムは木の樽のようにも見えて、今も現役で回っている。
はじめて足を踏み入れた革の工場は、職人さんたちが肉体を使って汗水たらして
革を作りつづけている場所で。頭がさがるようなおもいがした。

ANDADURAでも普段革を作ってくださっている佐藤さんはじめ、お会いしたことない
職人さんたちが関わり一枚の革、そして製品が出来上がるのだなあと。

山本さんも革について、見えなかったことがみえたようで、
お互いに見えたことは違いますが感慨深い時間でした。


以下写真は、本日の工房です。









なぜか一枚だけ姫路城の写真を山本さんが撮っていました。
再来週は龍野のレザーフェアに行くので次回は写真を忘れずに行きます。
2017.11.3 | ayanote

2017.9.22

二台のミシン

本日の工房

気温22℃ 湿度70%

今日はayanotoです。
最近ミシンの練習を始めた。
まだまだ慣れなくて、ミシンの方が先輩というかんじだ。
工房には二台ミシンがあり、それぞれ機械だけど性格が違う。
機械に違いなんてないような気がしていたけど、同じメーカーのものでもやっぱりちがうのだ。
使っている人の癖がうつるかららしいけど、動物みたいで面白いと思った。

初代ミシン


独立の時に中古で購入したもの。
・性格→少し癖があり、堅物なところがあるけれど、仕事はきれいでよいところがたくさんある。信頼できるミシン。


二代目ミシン


初代の調子がわるくなり5年程前に新品で購入したもの。
・性格→いつもご機嫌。たまに調子が悪くなると、山本さんが使うと元にもどったりする。パパっ子。初心者にも寛大で安定して使う事ができる。


山本さんは時々「いつもありがとう」と、ミシンに話しかけるそうだ。相棒だからと。
彼にそんな一面があったことをミシンに教えてもらう。
力が入ってしまってガタガタな縫い目になってしまうこともあるけど、
肩の力を抜いて、二台のミシンのことを知っていけたらなあと思っている。

追伸 
「ミシンを踏む」ということば以外に「ミシンに乗る」という表し方があるらしい。
後者の方が、なんだか仲良くなれそうでいいことばだなあと思った。
2017.9.22 | ayanote

2017.8.17

ファブリックの鞄



今日はayanotoです。
お盆すぎると暑さが弱まると言われていますが、八月も半ばになり、今年も明け方は
ひんやりと秋の気配がしてます。底抜けの暑さもちゃんと底をうって、
季節は動いていくなあと、毎年のことながら思います。

15日よりラインナップと価格が変わりました。
そんななかで、廃盤となったファブリックシリーズが出来たことを思い出しました。
中でもファブリックシリーズの鞄は印象的で、一番最初の試作から随分形が変わって
完成したものです。途中、ウサギの耳のように持ち手が長いこともありました。
お道具箱のように自立する鞄。
なんだか既に懐かしい気持ちがしてしまいます。

先日、いつものように主人と車で走っていた時に、彼がこんなことを話してました。
自分が作ろうと思ったものを、最後まで作りきることが次に繋がって行くと思う。

このラインナップは廃盤になったけど、次に繋がるために必要な過程なんだなあと
思いました。目に映るものは実は氷山の一角で、山全体は映らない。
でも、山の麓がなかったら、一角すらないんだなあなんて。
そんなことを思いました。

これから先、新しいラインナップができました!と報告できることが、
やっぱりたのしみです。
変更が重なりいろいろお手数おかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

秋も、もう遠くないですね。
2017.8.17 | ayanote

2017.7.11

磨きのこと

ANDADURAを手伝うことになり、はじめに覚えることになった行程が「磨き」という作業。
どこを磨くの?
そんな所からはじまった。

「磨き」とは、裁断したパーツの切り口をヤスリや布を使って磨き整えていく作業。
表の革をはじめ、財布内側も目に映る部分はパーツごとに磨きをかけていく。
黙々と行うこの作業は、製品作りの4割近くを占めている。
見えにくいけれど製品のクオリティに関わる基礎部分である。

「ものをつくることは、みることから始まる」

この作業に関わり始めた時に山本さんから言われた言葉だ。

「まずはつくるものをしっかりと見て。」

頭では分かるものの、「つくるもの」を見るより行程をメモしているノートを見ていた。

「ここは、二回磨くって書いてるから二回磨こう」とか。
「ここは、粗めのヤスリを使うんだ」とか。

ノートの通りにやっても、上手くいかない。
あまりにも出来なくて、簡単なパーツを時間をかけてもいいからちゃんと磨き終える練習をすることにした。

「ここはなるべく早く手を手を動かしたほうがいいかな」
「ここは実は力を入れない方がいい」

自分の身体と頭でみていく。
その作業を繰り返す。気づけばノートを見なくなった頃、はじめて「ok」が出た。

繰り返しに見える同じ作業も、革は生き物だったから一枚一枚違う。
個体差があるから、全く同じ状態ということはない。
だからこそ、メモではなくて自分の身体で見ることが必要になる。
言葉でまとめていったものの、まだまだ勉強中。

磨きの作業をすると、毎日手がインクだらけになる。
しみだらけの手に最初は落ち着かなかったけど。
寝る前にはインクのない元の手に戻っていることが、
なんだかおもしろいと思う今日この頃です。


磨きの前後



こんな道具を使っています。

2017.7.11 | ayanote

2017.7.5

工房までの道すがら

岡山の総社は梅雨らしい天気が続いている。
自宅も工房も山に近いから日に日に植物が成長していて、3月くらいから随分風景が変わったように思う
(山が近づいてきた!) 



我が家と工房までは車で10分ほどの距離がある。
山本さんはバイクで、私は車でむかうことが多い。
行く途中に、お地蔵さんがある。
岡山に引っ越してきて1年半以上過ぎたけど気がついたのは少し前のこと。

山本「気づきよった?」
私「知らなかった。」

その道は車がじゃんじゃんと走る国道だけど、お地蔵さんがある辺りをゆっくりと走る。

「あっ!いた」



毎日通る風景の中に、実は知らないことがたくさんある。
車から降りて見ると、意外に樹が大きかったことに気づいたり。
お地蔵さんがいたり。
川幅がおもったより大きかったり。

先日、岡山大学の松村圭一郎先生の「よそもの人類学者の新岡山論、カミと仏の岡山の巻」という講座をきいて。
古代から歴史のあるこの土地に、改めて興味が湧いてくる。
家から工房まででも名もなき古墳や、お宮や、お地蔵さんいて。
道すがら、遠い歴史(吉備国)の足跡を感じる。


そんなこんで、10分走ると工房に到着。



こちらのことはまた次回に。
2017.7.5 | ayanote

2017.6.30

はじめまして。

去年からANDARURAの手伝いをはじめました、山本綾乃と申します。
今までは家の隣に工房があったので、なんとなく主人の仕事は見たことがありました。
実際に関わり自分の手を動かしてみて、その難しさや細かさにびっくりしました。
今もまだ初心者マークをつけながら作業しています。

今年の4月に京都にあるロクさんでの展示にて、ANDADURA・山本の隣から
みた風景や、日常の様子をお伝え出来たらと思い文章を書かせてもらいました。
綴る中でみえてくることがあって。
私自身も書くことでまたひとつANDADURAを知るような気がしています。
2017年の折り返し日、6月最後の金曜日の今日からブログを時々更新することに
しました。


ひとつの財布をみると、それは財布でしかないけれど。
その奥にいろんな人がいて、さまざまな行程があって、たくさんの時間や、
誰かの人生があるなあと、この文を書きながら思いました。
手に取ってくださる方がいること。
使ってくださる方がいること。
販売してくださる方がいること。
とてもありがたいなあと思います。


普段は表に出ない、もしかしたらそんなに出さなくてもいいことかもしれないけど。
時々綴っていきますのでどうぞよろしくお願いします。
2017.6.30 | ayanote
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