ANDADURA

BLOG

2024.7.18

額縁の枠のかたち

 
独立してすぐに、ひとつの型紙を用い、複数のアイテムを作れたら面白いだろうな、と考えたことがありました。
複数のアイテムのかたちが、ひとつの型紙にフィードバックされ、複数のアイテムの要素が、それぞれに絡み合うような作り方。
 
思い出してみると、beatlesのgolden slumbers から carry that weight / the end に至る流れを、リピートでずっと聞いていた時に、これをものづくりに置き換えたら、どんな作り方になるんだろうか?と考えたときに、思いついた作り方。
 
そのgolden slumbersのような作り方は、ずっと、頭の片隅にあり、額縁を考えている時(その時には、それが額のフレームの形状に使えるとは気が付いていませんでした。)スウェードでひとつの型紙で、複数のアイテムを作る、という完成しそうにない、実験をしていました。

あっ、もしかして、スウェードではなく、額の方で使うのに、ぴったりな作り方ではないか、と気がつき、長年の宿題を解くかのように、嬉々として、フレームの形状を考えました。
 



枠のかたちは、くるくると向きを変えたら、4つの異なる額ができる形になっています。一粒で4度おいしい。

ずーっと、作りたいな、と思いつつも、どうやっていいか分からない作り方が、ひょんなきっかけで、かたちになる。ものづくりは楽しい。
 
今も、高校生の時に「いつか、作ろう」と決めたものを、少しづつ形にしようとしている。
家の改装のやり方は、中学生の時に、「自分だったら、こんな家づくりをする。」と真剣に考えたことを思い出し、それがベースになっている。
そうやって考えると、記憶で何かを作っているような気もしてくる。
 
人の名前や顔は失礼なほど、覚えられないのに、「これを作ろう。」と決めたことについては、新鮮なまま自分の中にずっと、留められている。そんな、自分のいびつな記憶が頼もしい。
 
改めて、beatlesのgolden slumbers から carry that weight / the end を聞いてみると、1曲にしなかったのは、曲の構成など云々ではなく、感情的に繋げられなかった(もしくは繋げたくなかった)ということを感じる。ポールの歌う、最近のgolden slumbersは、曲の隔たりが少なくなっている、ように感じる。
 
ほんと記憶って不思議だ。
 
 
 
2024.7.18 | products
page top