

ANDADURAの革を作ってくれている革屋の佐藤さんのお財布を制作しました。
なんでこんな事を書くのかというと、
佐藤さんとの革作りが始まった2010年かそれくらいに、
「自分が納得する革作ったら、それでお財布作ってよ。」
と佐藤さんは言いました。
これまでも佐藤さんにはお財布を使ってもらっていたけど、
革そのままと、革をかたちにした時の「良さ」には、ほんの少しのズレを
感じていたので、それを共有するために、使ってもらっていた、という感じ。
そして、10年くらい一緒に革を作ってきて、
(ようやく?)「前作ったキャメルで、お財布作ってよ。」と。
原皮の種類や、下地のタンナーさん、加工方法に至るまで、
もはや、全てを試したと感じている。
10年の間には、「もう一緒にやるの無理なんじゃない。」ってタイミングもありました。
だから、
「前作ったキャメルで、お財布作ってよ。」
とサラっと言われると、感慨深いものがあります。
ただ最近は、「肩の力抜いて作りましょう。」
とか、「やり過ぎないようにしましょう。」
とお互い肩の力を抜いて作ることが出来てきたように思う。
それが出来るのも、
去年に、革のベースを栃木レザーから昭南レザーに切り替えたことが大きい。
栃木の革は、作り込まないと使える革にならない事が、多かったけど、
昭南はしっかり鞣された革を作ってくれているので、
「この革の良さをそのまま生かしましょう。」と安心して革に委ねる事で、
大阪のhitofushiさんにて、8月29日(土)から9月12日(土)まで、ANDADURA展を行います。(※1週間会期延長となりました。)
ANDADURA展
VE02のカラーバリエーションです。
online shopのページに載せきれなかったので、こちらにも載せます。
ここでも全ては載せきれてません。
昔見た、ジム・ジャームッシュの映画で、タイトルは忘れましたが、
敵の基地に乗り込んで行く場面があって、ガチガチに警備された基地にどうやって
忍び込むんだろう、と見ていたところ。場面は急に基地の中に侵入成功している姿が映し出される。
敵「どうやって、入った!」
主人公「イメージの力を使った。」
え〜。反則ですやん。それなら、基地をガチガチに固める警備の場面必要なの〜?。
そう。載せきれない分はイメージの力でご想像いただけたら幸いです。
(とはいえ、この組み合わせしっかり見たい、などありましたら、メール下さい。写真撮ります。)
VE02はこちらからご覧下さい
前にひとり展示会と称し、庭でひとりで楽しんでましたが、
今回はonline shopでやってみます。
定番をなると、色数や形などは絞ります。絞ると、どうしても溢れ落ちるものがあって、
そのハザマ、というかユラギに存在する溢れ落ちるモノも結構好きだったりします。
溢れ落ちるものを盛り込んじゃえ、という感じでモリモリとオンラインショップという受け皿にごっそりのせてみました、
という感じの_____に風を通す・セルフ展です。
_____に風を通すでは、
定番のいつもの3色に加え、ネイビーとオレンジの計5色です。
少し明るめのネイビーと、ビタミンカラー代表みたいなオレンジです。
こちらVE02となってますが、ビニロンという素材に触れていて、一番最初に出来たのが、これです。新作作りの時は、晩酌の際に眺めて触れて、
ええわぁ〜なんて言いながら一人で楽しんでますが、ええわぁ〜、と一緒にお酒を飲んだ回数が多いのはこの人です。
ゴムに手を添えて使わないといけないという、一言説明が必要なのがネックで、定番にはしませんでしたが、ここでは、しっかり説明できるので、販売いたします。
いろんなカラーバリエーション作って、並べ替えながらのええわぁ、もやってました。
35通りもあるので、とっても選びにくいかとも思いますが、
直感で気に入ったものありましたら。
オーラソーマのような感覚で楽しんでいただけたら。
こちらP1です。白と黒を追加しました。黒はゴムも黒で、白はアイボリーのゴム。ともに金具はシルバーです。
白は汚れが目立ちやすいので、上級者向けです。黒はたくさんありますが、白は1つしかないです。
_____に風を通すのセルフ展、ぜひご覧下さい。
ANDADURAの工房は高梁川が流れる、岡山県総社市と高梁市の間くらいに
あります。水内橋という橋を超え、4キロほど山を登ったあたりにあります。
工房の少し裏には、若水山古墳という古墳があります。
なので、年に数回は古墳を見に来る人がやってきます。
工房の山側には山本城というお城があったらしく、
工房の隣には、山本城の城主のお墓があります。
なので、年に数回はお墓まいりに来る人や歴史好きの人ががやってきます。
工房のある場所の屋号は若水といって、山本城に水を運んでいたらしく、
場所との縁を感じるところです。
工房を出て少し歩いたところに、
大きな木が一本。御神木ではないらしい。なぜだか近くの小さな木が御神木との事。
そこに年末に祝詞をあげる、小屋がある。
折に触れて思い出す事がある。
去年のこと。
地域のみんなで火を囲んでいて、
ネコのおじちゃん(と僕は密かに呼んでいる)が
「ここには昔、松が生えとった。え〜松じゃった。」
と言う。
そばにいたYさんも
「あれは、え〜松じゃった。」
そこにいた、80歳以上の方々は遠い目をし、
しばしの沈黙。
ふっと思い出したように、ネコのおじちゃんが
「そういえば、○○子さんは今何しよるんかの〜。」
○○子さんの行方を知っている人が
「今は○○しよるんよ。」(僕が覚えて無い)
「ほーか、まだ生きとるか。○○子さんは可愛かったの〜。」
とネコのおじちゃん。
多分○○子さんは、ネコのおじちゃんが恋した人で、
一緒にはならなかったんだろう。
なんとも無いやりとりだったけど、
それから今はなき松のことをたびたび想像してしまう。
今はなき、松の木の下で遠い昔に、
若き日のネコのおじちゃんと○○子さんが一緒にいる姿を想像する。
Nick DrakeのPaddling in Rushmereって曲を脳内でBGMとして流しながら。
松の話をして、恋した人を思い出す。
いい松だったんだろうなぁ。見てみたいなぁ。
こんな事を考えていると、とっても幸福な気分になっていたりする、
今は亡き松の木に幸福感を与えてもらうことがあるんだなぁ、
っていう、おじいちゃんの松の話。
西日本豪雨の際に水に浸かった革を使用して、Over the rainCowという名前でアイテムを新たに作りました。
革屋さんが懸命に仕上げ直してくれた革を前に、どのように使うのが、この革にとっていいかを考え、シェアするという目的でレンタルのお財布を作りました。
まだ使える革が残ってますので、なるべく汚れを避けて裁断出来るよう、小さなアイテムを作りました。
Key holder
キーリングに楕円の革が巻いているシンプルなキーホルダー。
キーホルダーを作るのは難しい。
実際に作るのは簡単だけど、考えるのが難しい。
料理に例えて言うなら、
フライパンと生卵を渡されて、
「これで、面白いもの作ってよ。」
「えっ、目玉焼きかスクランブルエッグ位しか、できないですやん。」
みたいな難易度の高さがあります。(まぁ、実際は自分でハードル上げているだけなんですけど。)
やっとこさ出来ました。本人としては、面白い料理になったと感じてます。
ちょこんと引っ掛かる輪っかは、買い物の際に指に引っ掛けたり、家に帰ってキーフックに引っ掛けて使えるように。
金具はゴールドとシルバーの2種類。ゴールドは真鍮生地、若干ツヤ感が少ないシルバーです。
こちらは、自分で3年使ったものです。革のタンニンに鉄を反応させ黒くする実験に使った革ですので、こんな色になってます。
最初は通常の定番として出そうと考えてましたが、ひとまず、Over the rainCowより出してみます。
続きまして、
カードケース or 名刺入れ
名刺とカードは名刺の方が5mmほど長く、カードの方が厚みがあります。
カード5枚と名刺5枚の外周は、ほぼ同じになることに気が付き、カードか名刺が5枚収まるケースを作りました。
カードを5枚収めた時のふくらみが、輪郭とつながるようにRを整えました。
パンのようなぷっくりとした佇まいのケースです。
名刺を収める際は、ふくらみは生まれず、胸ポケットに入れるのにちょうど良いフラットな形です。
この革で作ったアイテムに値段をつけるのは、なかなかに難しかったです。
革屋さんが仕上げ直してくれた革で、アイテムを作り販売し、また革を注文できたら嬉しいな、という思い、そして、レンタルと同じくシェアしたいとの思いで価格を決めました。
まとめて制作して、革が形になっていくのは、祈りのような時間でした。
ちゃんとこの革に向き合えたことは、ほんとうに良かったと思います。
ありがとうございます。
共に、ONLINE SHOPにアップしております。
ぜひ、ご覧下さい。