ANDADURA

BLOG

2023.10.16

constellation / jiji - FLAT

FLAT 
 
 

和歌山で、お洋服を作っているjijiさんと今年も一緒にカバンを作りました。

 
jijiの引網さんに、はじめてお会いした時、一緒にカバンを作りましょうと話をして、
帰りの車の中、頭の中で出来たのが、このカバンです。
 
 
引網さんから、お母さんが使っていたカバンのイメージを伝えてもらった時、
その風景に憧れのようなものを感じました。
 
少し前に読んでいた本の中で、素朴という言葉に、シンプルというルビがふっているのを目にして、ひとりで静かな衝撃を受けていました。15分くらいじっとして、その言葉が体に入っていく様子を観察していると、シンプルということばの周りについていた、いろんなものがはがれ、肩の力がどんどんぬけていくのを感じました。
 
その少し後に読んだ本で、質朴ということばに出会い、自分が学生の時から憧れていたシンプルという在り方は素朴とか質朴のようなものだったんだ。と今さらながら気がつきました。
 
去年jijiさんがFLATに書いた文章を読んでいると、「私の記憶の中から山本さんによって切り出され」ということばがありますが、FLATを作っているとき、僕が切り出したものは、憧れのようなものだったのか。そして、それは僕の憧れでもあった。
 
jijiさんの文章を読んでいると、そのことを最初から予見しているようで、根っこにある何かを共有できたことに震える。
 
 
ANDADURA 山本祐介
 
 
スエード ショルダーバッグ

私が子どもの頃 母がよく使っていた黒いスエードのカバン

それは細くて長い持ち手にマチもポケットも無いような
とても簡素なつくりのカバンだった

特にこれといったデザイン性があるわけではないのに

なぜかそれは私の記憶にずっと残っていて

いつからかそんなカバンが欲しいと思うように


ある時共通の友人を介してANDADURAの山本さんと出会い

私の記憶の中から山本さんによって切り出され 出来上がったのが

”FLAT”と名付けられたとってもシンプルなつくりのカバンです
 
jiji 引網さおり
 
 
FLAT
one handle bag
size : w220×h250 mm
shoulder length : 420mm
color : graige
 
shoulder bag
size : w180×h200 mm
shoulder length : 1050mm
color : graige
 
FLATはjijiさんのonline store よりご覧ください。
写真はjijiさんにいただきました。
Photo by Shingo Hikiami
 
HPに一緒に作るカテゴリがあり、これまで、カテゴリの名前を、一緒に散歩をしているイメージで、歩道という意味の sidewalk という言葉にしていました。
 
FLATをのせるのにあたり、星座(星のあつまり)という意味の、constellation に変更しました。共にいきることへの、ささやかな願いをこめて。
 
2023.10.16 | information products

2023.9.25

スウェードアイテムの定番カラー変更のお知らせ

 
ANDADURAは現在、グレイジュ、イエロー、グリーン、チャコール、コーラルの5色展開で、スウェードのアイテムを制作しております。ANDADURAのカラー展開を、グレイジュ、グリーンとネイビー(新たな色)の3色に変更いたします。
 
グレイジュとグリーンはこれまで通り制作いたします。HPは新たな3色に変更いたしましたが、イエロー、チャコールとコーラルはもう少し工房に在庫ございますので、ご希望ございましたらお伝え下さい。
 
 
ポーチは、少し仕様変更をしました。ファスナーのスライダーのパーツを、変更しました。頭の金具が薄くなり、よりスッキリとした印象になりました。
 
 
ここ最近は、革の色も含めカラーを絞っていますが、これまでとこれからを整理整頓をしているようです。なぜ整理整頓が必要なのかは、明確な理由は自分でも分かりませんが、感覚的に今は絞ろうと感じています。
 
そのことが、どこに向かわせてくれるのか、少し離れたところから眺めつつ、楽しみたいと思っています。つぼみが開き、また翌年には、新たなつぼみになる。そんな単純なことのような気がします。
 
整理整頓と並行し、新しいものもいくつか作っています。またお披露目できるのを楽しみにしています。
 
 
2023.9.25 | information

2023.9.21

karukuの活動について

 

 

karukuという活動を作ったのは、LGW01の別解釈を出したかったことと、open caseを出すため、またANDADURAから溢れるささやかなものの受け皿としてでした。

ANDADURAはグッと立ち上げるもので、karukuは編集的に作る。
karukuは定番ではなく、作りたいと思った時に作る。また、仕上げの方法なども違いますので、使われる方が求めるものと、すれ違いのようなことが起こるのではないかと、そんな風に考えて、ANDADURAとは分けてkarukuという名前にしました。

karukuを作った時期(構想が始まった2020年)と今とでは、状況も、自分自身の感じ方も変わってきまして、karukuとANDADURAを、分けなくてもいいかもな、という心境になってます。

定番、定番でない、と言っても素材がこれだけ廃盤になりなくなっていくのを目の当たりにしていると、定番と定番でないものを分ける線が薄くなってきているように感じます。
 
展示会でANDADURAのものと、karukuのアイテムが並んでいても、みなさんシームレスに見て下さっていると感じました。

仕上げや、作り方の目線の置きどころが違うなどの細かいことより、同じ人物から生まれたものとして、大らかに受け止めて下さっていると感じられたことは、とてもありがたい経験でした。
使って下さる方のことを信頼し、(これまでもそう思っていましたが、より、ということです。)ANDADURAに多様なものを入れる、勇気(他に言葉が見当たらなかった)が持てたように思います。そう思えたことがkarukuをやって良かったことです。

今後、karukuでやろうと思っていたことは、ANDADURAでやっていこうと思っています。karukuは少し宙ぶらりんになるかもしれませんが、karuku walletはその時に出来たものとして、そのままの形で、作りたい時に作ろうと思っています。 
 
karukuをやってみて、その分けるということを通して、自分の中の複雑なものを、そのまま出していこう、と思えるようになりました。
自分だけで思っていればいいのかもしれませんが、言葉にしておいた方がいいような気がしましたので、書いてみました。
 
 
 
 
2023.9.21 | information karuku

2023.9.15

open case

 
ブックカバーの再編集 ー open case
 
 新しくopen caseという名前で、ものを入れるケースを作りました。

オープンケースは、ブックカバーを僕なりに再編集したものです。

ANDADURAを始めてから、「ブックカバー作らないの?」
と要望をいただくことがあり、自分なりに考えてはいたのですが、いいのが生み出せずにいました。作ろうと思えば、本のサイズでカバーを作ればいいだけなのですが、自分が作る必然性を感じることが出来ない。

というのも、僕は乱読気質といいますか、何冊も同時並行で読みます。
その日にパッと目に入った本を数冊持っていくので、その都度ブックカバーをつけかえることが朝の忙しい時間には出来ません。
ブックカバーというアイテムは、1冊の本を読んだら次の1冊、という読み方が前提になっていると感じます。

 

数冊を持ち歩く人はカバーが数冊分必要なの?
さらには単行本、文庫本、新書などさまざまなサイズがありますので、各サイズごとにカバーを買ってもらわないといけないの?それってアイテムとして、作る必要があるのだろうか?分からない。

乱読気質の人間にとって、持っていく本に合わせてブックカバーを付けるという作業は至難の業です。さまざまな場所で本を読みますし、「あっ、新書のブックカバーどこにあたっけ?」とカバーを探しても見当たらず、仕方なしに、カバーなしで持って行くようになります。そして、ブックカバーは本棚の中に鎮座するようになりました。

本にはいろんなサイズがあり、さまざまな読み方がある。それらをクリアしたものでないとブックカバーは使わなくなる宿命にあると感じる。どうやったらブックカバーを作るリアリティーを見出すことが出来るんだろう?

ちなみに、手帳カバーは、ずっと付けたままですので、要望いただいたら制作していました。

そのようにして、ブックカバー作れない問題は保留になったままでした。

「ブックカバー作れますか?」
「ブックカバーって難しくて作れないんです。」
「???」
何故作れないのか?その訳を話すと長くなり伝えられないことも多く、お財布より作るの簡単そうだけどなぁ?と怪訝そうな表情に、複雑な心持ちになりました。

4年くらい前だったか、篠山に本の展示を見に行った時。
そこに並ぶ本は古本なのですが、佇まいが、すごく大切にされていている、と感じました。
その展示の帰り道。購入した本を眺めながら、この本は大切に扱わなくてはと、その場所から本を扱う姿勢のようなものもいっしょに手渡されたように感じました。

「この本たちにはカバーが必要だ。」

そのようにして長年放置してあった、ブックカバー問題にチャレンジすることにしました。普通のカバーではなく、どんなサイズの本も、いろんな読み方も受け止めてくれる。そんなカバー。
 
車を運転していて、流れる風景は、さまざまな考えを転がすのを助けてくれる。

そして、借りた本を持ち運ぶ時、クリアファイルに入れていたことを思い出す。
クリアファイルは立体のものを持ち運ぶようには出来ていないから、数日経つ頃には、かなり切ない姿になりますが、本は汚れない。

そうか、クリアファイルを作ればいいんだ、なぁんだ、簡単じゃん。と、帰りの道中には長年のブックカバー問題への自分なりの答えのようなものが見えていました。

そして、すぐに試作を作りました。
革の適度な厚みとクッション性は、ipadのような大げさなケースには入れたくないけど、少しの保護があった方がいいものを入れるのに適しているとも感じました。そのようにして、サイズ感を模索する、ワンサイズにするのか、2つサイズを作るのか?素材は何の革を使うのか?

「簡単じゃん、と言っておきながら、なんで4年も経っているの?」と思われるかもしれません。適切な素材を見つけることが出来ずにいました。出来ないのが悔しかったので、オープンケースを元にしてFlat Shoulderなどのアイテムを作りました。 (その辺りの経緯は「憧れ」というタイトルでブログに書きました。

いいかもと思える革が見つかりました。ANDADURAの革を作ってくださっている佐藤さんの作る、銀すりゴードです。ゴードは少し柔らかいのですが、自分で銀面に熱を入れ、心持ち固さを持たせました。

さて、open caseは、乱読者向けのブックカバーとしても使えますし、ipadなど少しの保護が必要なもののケースとして。その名の通りオープンになっていますので、出し入れはスムーズに行えます。

ひとまずは完成までの経緯のようなものを書いてみました。

open caseが生まれる、きっかけを下さったのは、aurora bookさんの「光を灯す時間」という展示でした。おそらくそんなきっかけを与えたであろうことは知らないと思いますので、この場でお礼をしたいと思います。ありがとうございます。みごとに灯されました。
 
「ジョン・レノン愛の遺言」は光を灯す時間で購入した本
open case reader
size : w202×h265(mm)
color : tan . ink
material : goat leather
※2024年2月末に、少し小さなopen caseを作りました。それにより、open case reader(読むひと)という名前に変更しました。
 
open caseが完成間近な頃に、読んでいた「街とその不確かな壁」を入れてみると、もう1冊入りそうで入らないもう一冊薄い本なら収まるよう、サイズを変更しました。街とその不確かな壁」のおかげでより良いサイズになったと思います。
 
 
オンラインショップにアップしました。
よろしければ、こちらからご覧ください。
 
 
2023.9.15 | information products

2023.9.12

新作作りの頭の中

 

数日前に作った新しいものの話。

新しいものを作る時の脳の動きをドキュメントしてみます。
 
最近は「あっ、作ってみよう。」とフッと思い立ち作りはじめることが多い。今作っているものもそうです。
 
ANDADURAはお財布のレンタルというものをやっていて、使って下さった方に、使った感想をいただいています。お財布を使って下さっている方に感想をいただくこともあります。
 
レンタルの際に感想を書いていただくカードサイズの用紙を同封していて、手紙のやり取りのようなことが出来るのは、ありがたいです。
少し前にレンタルで感想をくださった方に、こんな小さな用紙には収まらないから、とメールでとても細かく感想をいただきました。こんなお財布があったら、との要望も具体的に書いてくださっている。
 
それを眺めて、数日たった頃に、「そのお財布を作ってみよう。」と思い立つ。いただいた要望が明確なので、すぐに完成する。そして早速自分で使い始めてみる。
 
使ってみると、そのお財布は、使うときにコツがいるお財布で、「これはこれで面白いかも。」と思いつつも、このお財布をリリースするとなると、どうなんだろうとも考える。
 
そうやって何日も使っていると、車でいうところの、「マニュアルとオートマ」という軸が出てくる。そうか、このお財布はマニュアル車なんだ、前に子供と見に行ったドリフトをするような車。
 
それなら、リリース出来るマニュアル具合ってどの程度なんだろう?さすがに今使っているハイパーなマニュアル感のお財布は出せないけど、もしかしたら、心地よいマニュアル感ってあるんじゃないか?うん、きっとある。
 
と意気揚々とマニュアルとオートマがグラデーション的になるように試作を重ねる。そうか、こうやったらオートマに近づくんだ。ここのサイズを変えたらマニュアルになるんだ。そうか、そうか、楽しくなってきた。
 
この頃になると、いただいたメールの要望は失念(すみません)し、どのくらいのマニュアル感が心地いいのか?ということばかり考えている。
 
いや待てよ。そもそも、ANDADURAのお財布はマニュアル寄りだよな。使う人への余白は残しているの(つもり)だし、そうかマニュアルに寄せた分、使う人が感覚を使うんだ。
いままでもそんなこと考えていたけど、あまり言語化はしてこなかったな。前にオカズさんとPECHKAのアイテムを作った時も、感覚を使うこと考えていたし。今回も同じことやってないか?作家は同じテーマを言い方をかえて繰り返す、って言葉があるように、そんな自分にたくさんの切り口なんてないんだし、「マニュアルとオートマ」の軸は感覚を使うことを考えるいいきっかけだ、このまま進んでみよう。
 
このお財布のマニュアル感はどの程度に留めるのがいいんだろう?ホックもセンターからずらして付けた方が、手のかたちに無理がないのでは?フタのかぶせ具合も使っていて操作している感覚がいいかも。フタを開けずにカードの取り出しが出来るのはいいけど、何枚が適切な収まりに設定するのがいいだろうか?ひとまず寝かせて、使いながらじっくり考えよう。
 
という感じを繰り返し作っています。かなり、端折ってはいますが、要約するとこういう風に進んでいきます。
作るものが変われば、毎回プロセスは変わるので、今回は「マニュアルとオートマ」の軸にひっぱってもらいながら進みました。
 
作っては使って、また違う形になり、また使って、とインプットとアウトプットを繰り返すことで、見えてる景色が変わり、作ることで新たな視点が生まれます。新作作りは旅みたいです。ひとりブツブツと騒がしく作っています。
 
昨日も、フッと思いたち、違う新しいものを作りはじめました。着地しないものが増えていきますが、そのうち出来るかな、とおおらかに思いつくままに作っていきたいです。
 
 
最初に書きましたが、使った感想を書いていただくフォームあります。
いただいた要望のものを作ろうと思っても、どんどんスライドして違うものになったりしますが、そのきっかけがないと作らなかっただろうと思います。こちらのフォームからご意見いただけましたら嬉しいです。
 
2023.9.12 | note

2023.8.7

憧れ

 

8月7日は僕の誕生日。
毎年、誕生日の過ごし方は1週間くらい前から考えはじめ、そわそわするのが習慣になっています。誕生日に過ごす1日は、それが1年を象徴する出来事であるかのように、1日の過ごし方がトレースされ、広がっていく、そんなイメージを持って大切にしています。

 
いろいろ考えるものの、次の3つの過ごし方になります。
 
何もせずに過ごす。(何もしないとはいえ、本は読む、映画は見ない。)
掃除をして過ごす。
新作をつくる。
 
のどれかになります。その時間の過ごし方が好きです。
 
数日前に、Mac Demarcoさんの『One Wayne G』という199曲入りのアルバムを聴いていたら、あの時に作っていたものをもう一回作ろうという意欲がムクムクと湧いてくる。
今年の誕生日は新作作りの時間になりそうだ、と思っていたけど、ササッと形が決まってしまった。
 
なので、8月7日はブログを書いてみよう思いつく。
自分自身に向けて、というか、ただ文章を書くということが、なかなか出来ないなぁと感じていたので、たまには思うがままに文章を書いてみる、という自分へプレゼント。
 
作った新しいものというのは、数年ころ前に、かなり意欲的に作っていたもので、着地しなかったもの。
「Open Case」という名前で、ただの袋といえば袋。「作り手として何もしていないじゃないか?」と言われれば、まさにそのようなものを作りたかった。というか作る必要性を感じていた。
 
ものを作る上で僕の理想は、星座のようなあり方。空に浮かぶ光の点をつなぎ合わせて、意味を生み、それが、ものがたりになる。
 
憧れのように、夜星を眺めるけど、ただ、星は光であり、僕に物語ってはくれないことに、はがゆさを感じる。
 
僕が作っているものは、装飾性のない、シンプルなものだと思うけど、装飾というものへの憧れもある。デザインを学んでいるうち、「シンプル」という言葉はすごい強度で僕に作用した、有無を言わさず入り込んできたと言ってもいいかもしれないくらい。
 
装飾というのは、人々が共有するものがたり、と言い換えることもできる。
児島虎次郎さんが収集した古代エジプトの装具展を眺めていると、動物や架空の生き物や、人やエネルギーや自然などが描かれている。
それらは、人々が見ていた世界でもあるし、集団の中で共有した(くらくらするくらい)豊かなものがたりなのだ。
 
その繊細さを眺めながら、数千年の時間のあいだに、僕らが無くしてしまった、あるいは感じられなくなったものを感じ静かにうちのめされる。
もし仮に、僕がものに装飾を施しても、それは自分のからだから出たものではなく、装飾の為の装飾になるだろうと思う。
 
星座がものがたらないこと、装飾にものがたりを込められないことは、同じ根っこだ。
 
「シンプル」という造形は、人々が個人になっていくこととリンクしている。
1900年代頃から始まった流れだろうか。僕自身もその流れから出ることはなかなかに難しい。
 
というわけで、オープンケースを作ろうと思い至ったのだ。
シンプルになるなら、これ以上ないというくらいシンプルなものを作る。その極北は、引き返し線のような役割を担ってくれるだろう。
そこに行ききることなしには、豊穣な世界の流れには入れないのではないか?と切実に考えていた。(結構シリアスですね。妄想的でもある。)
 
オープンケースは完成には至らなかったその訳は、適切な素材を手に入れることが出来なかったから。
「この素材で作ろう」と目星をつけていた素材があり、試作を重ねた。そろそろ材料屋さんから本ちゃんの材料を購入しようと思ったところ、なかなかのハードルのロットが設けられていた。その上、素材はかなり前に見たもので、サンプル帳はいただいていたものの、豪雨被害の時に流されてしまっていた。サンプル帳も無く。革屋さんが、素材のサンプルもないとのことで、記憶だけを頼りに素材を作ることが出来なかった。(その個人的なアイテムに、中古車が買えるくらいをかけることが出来なかった、とも言える。)
 
ただ、それだと悔しいので、その時に進めていたサンプルをベースにして、スウェードのラインナップを立ち上げていった。
Open caseとFlat shoulderの本体の構造が同じなのは、Open caseを断念することが出来なかった為、Open caseをベースにして作ったからです。
 
数年前に作ったkarukuというラインも「Open Case」の受け皿として考えていましたが、karukuを作った時と今の感覚が違うので、分けなくてもいいか、と思っています。
(この辺りのこともまた文章にしたいです。)
 
灼熱の日々が続く中、ラジオから『One Wayne G』の曲(調べたら 20190726という曲です)が流れ、何かに感化され、Open Caseを作りました。
『One Wayne G』のてらいのないシンプルな音は、Open Caseを作りたいと思った気持ちに通じるものがあるのかもしれません。
当初はいささか妄想じみたシリアスさで考えていましたが、今はうって変わって、てらいなく素直に作っています。多分Mac Demarcoさんの音楽に触発されたのだと思います。
ありがとうございます。
 
久々に思いつくままに文章を書くのは楽しいです。
いつもは、数日くらい寝かせてアップするのですが、今日は誕生日ということで、一筆書きで書いたままアップします。
暑い日が続く中、さらに暑くなりそうな文章を読んでくださり、ありがとうございます。
今から少し掃除します。
 
 
2023.8.7 | note

2023.8.4

肌色

 

肌色の革で、お財布 & 小銭入れを制作しました。

肌色の革は、肌色を目指して作った革ではなく、ベージュの革を作る最初の頃、ベージュの色味が微妙な色味なので、最終調整は工房で行おうと思っていました。
最終調整といっても、染料を吹くわけでもなく、ただ革をつるして、陽に当てる。
革屋の佐藤さんも僕も、「最後の調色は太陽にやってもらおう」と、それでうまくいくと思っていたけど、

誤算は、岡山の南向きの日差しが強すぎたこと。
強すぎる太陽の光で、革に赤みが出てきました。

その時、思い出したのは、ここに住み始める際に、近所に挨拶に行った際に、多くの家で、カーテンが破れまくっていたこと。聞くと、日差しが強くてカーテンが破けてくるとの事。

「日光に当てても、そんなに赤みって出てこないんだけどな。」と首をかしげる(電話でしたが、首をかしげていたと思う)佐藤さんの言葉を聞きながら、そんな光景が頭に浮かぶ。

いわゆる失敗というやつだけど、数ヶ月経って革を見ると、「綺麗な肌色だな。」と思うようになりました。

ベージュの色の範囲にはおさまらなかったですが、違う色の「肌色」として制作しました。Online shopにアップしました。

岡山のびっくりするくらい強い、太陽の日差しを浴びたお財布たちです。「太陽の日差しを浴びた」ってフルーツの紹介のようですね。

色味の最終調整は太陽にやってもらう、というアイデアは、結構好きなのですが、この辺りでは難しいみたいです。何事も実験ということで、偶然に生まれた色味です。革が無くなるまで、制作します。
 
 
2023.8.4 | information products

2023.7.4

ベージュの裏面の色について

 
ベージュの革については、ほかの色と異なり、説明が必要かと思いますので、ご一読いただけたらと思います。
 
ANDADURAの革のベースは、昭南皮革のヌメ革に染料加工したものを使用しています。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で少し赤みがあります。ベージュの色は、ベースの赤みをオリーブのような緑を含んだ色で、打ち消しあうような染め方をしています。
 
ベースの赤みは、表面にはありますが、裏面は赤みのない色味ですので、裏色はオリーブの染料の緑みがあります。
 
裏面の緑みは、不思議なことに、使っていくうちに少しづつ消えていきます。サンプルで使用した2つのお財布は、3ヶ月くらいで裏面の緑みが減ってきました。全てのお財布の裏色の緑みが消えていくかは、今のところ、断言は出来ないですが、今後、しっかり検証していきます。
 
左が使用半年のもの。裏面の緑味は消えています。ニュアンスとして残っているくらいの色です。
 
右は使用半年の経年変化です。素直に濃くなっていきます。
 
葉っぱが枯れていくような、裏色の経年変化もベージュ革の楽しさかと感じています。
 
 
2023.7.4 | information products material

2023.7.4

new color ベージュ

 
ベージュのアイテムたち、HP & online shopにアップしました。
 
ベージュの革作りは、去年の4月頃より始めました。
その1ヶ月前の3月に行った展示会で、ANDADURAのアイテムを眺めていて、
何か腑に落ちなさを少し感じました。その時はその違和感が何なのか分からぬまま、工房に戻りました。
 
「あの違和感って何なんだろう」と頭の片隅で思いながら制作していて、1週間ほどしてハッと気がつきました。「色だ!」と。そのシーズンは軽やかで明るいカラーの服などが並んでいて、その空間の中で、ブラウン系が2色というのが、少し、重く感じたのだなと。
 
かといって、定番3色で制作しているので、どういう状況でも、定番の3色をベースで展示するしかない。そういうあり方に、少し柔軟性を持たせたいと思いはじめました。
 
2色の定番色に1色の流動色であれば、ある程度はその時の自分に合った色になるのでは、そうなると、2色の定番色は、どんな流動色がきても支えてくれる色味にしたい。
 
その時に、すぐに頭に浮かんだのが、独立当初より希望していたベージュでした。
すぐに革屋の佐藤さんに連絡しました。「昭南のベースだったら赤みがあるので、いけるかも」という楽観的観測のもと、ベージュの革作りがスタートしました。
 
革屋さんに理想の色味のサンプルを送り、サンプル制作が始まりました。ひとまず、理想を伝える色味のものは、時計のベルトで、顔料染めのものでした。
染料染めでは、それとは違う色になります。染料で染められる中での理想のベージュを見つける旅が始まりました。
 
革が届き、実際に制作し、要望を伝える。そうやって、色味を希望に近づけていく。といっても染料で染められる色の幅も分からないので、「この色です」と指定することもできないので、手探りで探す。ここから始めよう、とこうやってリリースしても、ベージュの革のアイテムの写真を撮ったり、文章を書いたりと、さまざまな視点から見ることで、色の捉え方が揺らぐところもあります。ずっとサンプルを作って理想に近づけていても、その時々で理想の色味も微妙に変化していく。
 
ここから先は、実際に出してみて、革を作る回数を重ねる中で、定めて行きます。定めるといっても、その時々で変わるんですけど、ひとまずは、ここからはじめてみます。
 
あいかわらず、着地させるまでに、やたらと時間がかかる性質です。展示会で感じたささやかな違和感はベージュという色になりました。
その他の色もいくつか写真を撮り直しましたので、少し見やすくなっているかと思います。よろしければ、HPなど、ご覧いただけますと嬉しいです。
 
 
2023.7.4 | information products material

2023.6.26

ANDADURAの定番カラー変更のお知らせ

 
ANDADURAは現在、キャメル、ブラウン、ネイビーの3色展開で、革のアイテムを制作しています。今後、ANDADURAのカラー展開を、ネイビーとベージュ(新たな色)の2色に変更します。

ネイビーはこれまで通り制作しますが、ベージュへの切り替えにあたり、キャメルとブラウンの革につきましては、工房の革がなくなり次第、終了となります。

お知らせするのは早いタイミングではありますが、キャメルと、ブラウンの革が無くなってからご案内ずるのは不親切かと思い、余裕を持ってお知らせさせていただきます。ベージュに切り替えるには、早すぎるくらい在庫は残ってますが、キャメル、ブラウンをご希望の方がいらっしゃいましたら、革があるうちにご注文いただけたらと思います。切り替えるといっても、革が残っているうちは、4色になります。

ホームページなども少しづつ切り替えていきます。ちゃんと整えてからと思っていましたが、今回は、やりながら整えていくやり方にします。
また、改めてご案内させていただけたらと思います。
 


・ベージュの色について


ベージュの色は、独立してから、革屋の佐藤さんに要望していた色です。これまでは、僕の希望するベージュの色味が出せないと言われてきました。
顔料を使えば出せるけど、タンニン鞣し&染料では、タンニンの色味が出て難しいとのことでした。

数年ほど前に、ベースに使用する革を栃木レザーから、昭南皮革に切り替えました。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で、少し赤みがあります。ベースに赤みがあるならオリーブのような緑を含んだ色で染めたら、綺麗なベージュになるのではとの着想のもと革作りをスタートしました。色を染めることに意識が向いてましたが、打ち消しあう染め方があるとは、盲点でした。

革の染料による染めの難しさは、天候や湿度、なめしの時期などの諸要素で色が変わってしまう、この色味になったのは、どの要素がどのくらい影響を与えているのかが分からない点にあります。なんども作り革を見て、少しづつ、この要素がこう反映するんだと、分かっていくしかありません。どうなるか分からないという、不確実性があります。
 
ベージュの革も、その他の色と同様に、制作の回数を重ねる中で、色味は変わっていくことかと思いますが、ひとまずは、ここから始めようという地点に立てたかと思います。ベージュの色味が、安定する地点にまで持っていけるかは、なんども作らないと分からないことです。
そして、定番にしなくては、なんども作ることも出来ません(少量で染めるには革屋さんも僕も負担が大きい)ので、歩みを進めることにします。
 
試行錯誤ができるという、幸せな環境で革が作れたのは、革屋の佐藤さんの存在によるところが大きいです。いろんな素材がなくなっていく中、素材である革から作ることができ、なおかつ新たなチャレンジができることがなんとも嬉しいです。
 
これまでともに歩んできた、キャメルとブラウンに別れをつげるのは、少しさみしくもありますが、まだある革を作りながら、さよならとありがとうを伝えようと思います。
 
 
 
2023.6.26 | information material
page top