数日前に作った新しいものの話。
数日前に作った新しいものの話。
8月7日は僕の誕生日。
毎年、誕生日の過ごし方は1週間くらい前から考えはじめ、そわそわするのが習慣になっています。誕生日に過ごす1日は、それが1年を象徴する出来事であるかのように、1日の過ごし方がトレースされ、広がっていく、そんなイメージを持って大切にしています。
肌色の革で、お財布 & 小銭入れを制作しました。
肌色の革は、肌色を目指して作った革ではなく、ベージュの革を作る最初の頃、ベージュの色味が微妙な色味なので、最終調整は工房で行おうと思っていました。
最終調整といっても、染料を吹くわけでもなく、ただ革をつるして、陽に当てる。
革屋の佐藤さんも僕も、「最後の調色は太陽にやってもらおう」と、それでうまくいくと思っていたけど、
ビニロンシリーズは、サックス、チャコール、レンガの3色展開でアイテムを制作しておりますが、ビニロンの生地の生産が難しくなり、廃盤になるとの連絡を生地屋さんからいただきました。在庫限りで終了とのことでしたが、チャコールの生地はずでに在庫がなく、チャコールは工房にある生地がなくなり次第、終了となります。
サックスとレンガのみ生地を仕入れる事ができました。
今後はサックスとレンガの生地がなくなるまで2色展開になります。2色を制作しながら、次の素材を探せたらと思っております。
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急なお知らせとなりましたが、僕自身も数日ほど前に知りました。
在庫がある別のカラーを加えた新たな3色にしよう、とか、チャコールの生地を持っている生地屋さんを探したりもしましたが、残った2色を並べて眺めていると、「2色という少ない色展開もいいのでは」と不思議と腑に落ちている自分もいました。
生地屋さんと「素材との別れは寂しいですね。」と、生地がなくなっていく感触を話せたのもよかった。ビニロンのチャコールくん(生地屋さんの色ネーム・スレートブラック)ありがとう、大好きでした。ちゃんと言葉にしておきたいと思います。
ひとまずは、手元にある素材を慈しみながら、しっかり制作していこうと思います。
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花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ
京都のロクさんで、5月25日から6月4日に、手のひらにおさまる小さなお財布たちの展示を行います。定番の革 & ビニロンの中から、小さなお財布を展示します。
写真は新しく作ったベージュの革です。革屋の佐藤さんと、ここ1年くらいずっと試行錯誤していた色。
ベージュの色は、独立してから、佐藤さんに要望していた色です。
これまでは、僕の希望するベージュの色味が出せないと言われてきました。
顔料を使えば出せるけど、タンニン鞣し&染料では、タンニンの色味が出て難しいとのことでした。
数年ほど前に、ベースに使用する革を栃木レザーから、昭南皮革に切り替えました。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で、少し赤みがあります。ベースに赤みがあるならオリーブのような緑を含んだ色で染めたら、綺麗なベージュになるのでは!との着想のもと革作りをスタートしました。色を染めることに意識が向いてましたが、打ち消しあう染め方があるとは、いやはや盲点でした。
ベースのヌメは裏面は白いので、素直にオリーブの色味になります。この表裏の色の違いが、どうなんだろうと頭を悩ませましたが、自分でサンプルを使っていると、なぜだかは分からないけど、裏面の緑みがスーっと消えていき、素直な色味になりました。まだ、1つしか使っていないので、全てがそうなるとは言い切れないですが、この葉っぱのように変わる裏面の色も、ベージュの革の面白い&不思議なところです。「ヌメで作れませんか?」と要望をいただいたこと、ヌメのベースに赤みがあることなど、さまざまな偶然が重なり生まれた色味です。
ベージュの革について書き始めると、長々となりますので、また改めて書きたいと思います。
ようやくお披露目できるのが楽しみです。
小さなお財布と共に、見ていただきたいです。
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「ANDADURA 展示会」
会場:ロク
京都市左京区聖御院山王町18番地メタボ岡崎101
日時:5月25日(木)〜6月4日(日)
営業時間:13:30ー18:00 水曜定休
広島にあります、認定こども園さざなみの森さんと一緒に作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。
さざなみの森の一角ではじまった minato: の活動として、じっくり対話を重ねながら、デザインさせていただきました。
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bollardさんより
子どもが、はじめて背負うリュック。
やさしい背負い心地と、やさしい色。
リュックを背負う姿を眺める人たちまで
やさしさに包まれるような『ファーストリュック』。
昨春にお披露目し好評だったリュックの、2023年版、
ジップの差し色新たな5色展開です。
生産数が少ないのですが、
今年も期間限定でご紹介できることになりました。
ぜひ、お気軽に実物をご覧になってくださいね!
春の宇野港でお待ちしています。