ANDADURA

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2023.8.4

肌色

 

肌色の革で、お財布 & 小銭入れを制作しました。

肌色の革は、肌色を目指して作った革ではなく、ベージュの革を作る最初の頃、ベージュの色味が微妙な色味なので、最終調整は工房で行おうと思っていました。
最終調整といっても、染料を吹くわけでもなく、ただ革をつるして、陽に当てる。
革屋の佐藤さんも僕も、「最後の調色は太陽にやってもらおう」と、それでうまくいくと思っていたけど、

誤算は、岡山の南向きの日差しが強すぎたこと。
強すぎる太陽の光で、革に赤みが出てきました。

その時、思い出したのは、ここに住み始める際に、近所に挨拶に行った際に、多くの家で、カーテンが破れまくっていたこと。聞くと、日差しが強くてカーテンが破けてくるとの事。

「日光に当てても、そんなに赤みって出てこないんだけどな。」と首をかしげる(電話でしたが、首をかしげていたと思う)佐藤さんの言葉を聞きながら、そんな光景が頭に浮かぶ。

いわゆる失敗というやつだけど、数ヶ月経って革を見ると、「綺麗な肌色だな。」と思うようになりました。

ベージュの色の範囲にはおさまらなかったですが、違う色の「肌色」として制作しました。Online shopにアップしました。

岡山のびっくりするくらい強い、太陽の日差しを浴びたお財布たちです。「太陽の日差しを浴びた」ってフルーツの紹介のようですね。

色味の最終調整は太陽にやってもらう、というアイデアは、結構好きなのですが、この辺りでは難しいみたいです。何事も実験ということで、偶然に生まれた色味です。革が無くなるまで、制作します。
 
 
2023.8.4 | information products

2023.7.4

ベージュの裏面の色について

 
ベージュの革については、ほかの色と異なり、説明が必要かと思いますので、ご一読いただけたらと思います。
 
ANDADURAの革のベースは、昭南皮革のヌメ革に染料加工したものを使用しています。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で少し赤みがあります。ベージュの色は、ベースの赤みをオリーブのような緑を含んだ色で、打ち消しあうような染め方をしています。
 
ベースの赤みは、表面にはありますが、裏面は赤みのない色味ですので、裏色はオリーブの染料の緑みがあります。
 
裏面の緑みは、不思議なことに、使っていくうちに少しづつ消えていきます。サンプルで使用した2つのお財布は、3ヶ月くらいで裏面の緑みが減ってきました。全てのお財布の裏色の緑みが消えていくかは、今のところ、断言は出来ないですが、今後、しっかり検証していきます。
 
左が使用半年のもの。裏面の緑味は消えています。ニュアンスとして残っているくらいの色です。
 
右は使用半年の経年変化です。素直に濃くなっていきます。
 
葉っぱが枯れていくような、裏色の経年変化もベージュ革の楽しさかと感じています。
 
 
2023.7.4 | information products material

2023.7.4

new color ベージュ

 
ベージュのアイテムたち、HP & online shopにアップしました。
 
ベージュの革作りは、去年の4月頃より始めました。
その1ヶ月前の3月に行った展示会で、ANDADURAのアイテムを眺めていて、
何か腑に落ちなさを少し感じました。その時はその違和感が何なのか分からぬまま、工房に戻りました。
 
「あの違和感って何なんだろう」と頭の片隅で思いながら制作していて、1週間ほどしてハッと気がつきました。「色だ!」と。そのシーズンは軽やかで明るいカラーの服などが並んでいて、その空間の中で、ブラウン系が2色というのが、少し、重く感じたのだなと。
 
かといって、定番3色で制作しているので、どういう状況でも、定番の3色をベースで展示するしかない。そういうあり方に、少し柔軟性を持たせたいと思いはじめました。
 
2色の定番色に1色の流動色であれば、ある程度はその時の自分に合った色になるのでは、そうなると、2色の定番色は、どんな流動色がきても支えてくれる色味にしたい。
 
その時に、すぐに頭に浮かんだのが、独立当初より希望していたベージュでした。
すぐに革屋の佐藤さんに連絡しました。「昭南のベースだったら赤みがあるので、いけるかも」という楽観的観測のもと、ベージュの革作りがスタートしました。
 
革屋さんに理想の色味のサンプルを送り、サンプル制作が始まりました。ひとまず、理想を伝える色味のものは、時計のベルトで、顔料染めのものでした。
染料染めでは、それとは違う色になります。染料で染められる中での理想のベージュを見つける旅が始まりました。
 
革が届き、実際に制作し、要望を伝える。そうやって、色味を希望に近づけていく。といっても染料で染められる色の幅も分からないので、「この色です」と指定することもできないので、手探りで探す。ここから始めよう、とこうやってリリースしても、ベージュの革のアイテムの写真を撮ったり、文章を書いたりと、さまざまな視点から見ることで、色の捉え方が揺らぐところもあります。ずっとサンプルを作って理想に近づけていても、その時々で理想の色味も微妙に変化していく。
 
ここから先は、実際に出してみて、革を作る回数を重ねる中で、定めて行きます。定めるといっても、その時々で変わるんですけど、ひとまずは、ここからはじめてみます。
 
あいかわらず、着地させるまでに、やたらと時間がかかる性質です。展示会で感じたささやかな違和感はベージュという色になりました。
その他の色もいくつか写真を撮り直しましたので、少し見やすくなっているかと思います。よろしければ、HPなど、ご覧いただけますと嬉しいです。
 
 
2023.7.4 | products material information

2023.6.26

ANDADURAの定番カラー変更のお知らせ

 
ANDADURAは現在、キャメル、ブラウン、ネイビーの3色展開で、革のアイテムを制作しています。今後、ANDADURAのカラー展開を、ネイビーとベージュ(新たな色)の2色に変更します。

ネイビーはこれまで通り制作しますが、ベージュへの切り替えにあたり、キャメルとブラウンの革につきましては、工房の革がなくなり次第、終了となります。

お知らせするのは早いタイミングではありますが、キャメルと、ブラウンの革が無くなってからご案内ずるのは不親切かと思い、余裕を持ってお知らせさせていただきます。ベージュに切り替えるには、早すぎるくらい在庫は残ってますが、キャメル、ブラウンをご希望の方がいらっしゃいましたら、革があるうちにご注文いただけたらと思います。切り替えるといっても、革が残っているうちは、4色になります。

ホームページなども少しづつ切り替えていきます。ちゃんと整えてからと思っていましたが、今回は、やりながら整えていくやり方にします。
また、改めてご案内させていただけたらと思います。
 


・ベージュの色について


ベージュの色は、独立してから、革屋の佐藤さんに要望していた色です。これまでは、僕の希望するベージュの色味が出せないと言われてきました。
顔料を使えば出せるけど、タンニン鞣し&染料では、タンニンの色味が出て難しいとのことでした。

数年ほど前に、ベースに使用する革を栃木レザーから、昭南皮革に切り替えました。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で、少し赤みがあります。ベースに赤みがあるならオリーブのような緑を含んだ色で染めたら、綺麗なベージュになるのではとの着想のもと革作りをスタートしました。色を染めることに意識が向いてましたが、打ち消しあう染め方があるとは、盲点でした。

革の染料による染めの難しさは、天候や湿度、なめしの時期などの諸要素で色が変わってしまう、この色味になったのは、どの要素がどのくらい影響を与えているのかが分からない点にあります。なんども作り革を見て、少しづつ、この要素がこう反映するんだと、分かっていくしかありません。どうなるか分からないという、不確実性があります。
 
ベージュの革も、その他の色と同様に、制作の回数を重ねる中で、色味は変わっていくことかと思いますが、ひとまずは、ここから始めようという地点に立てたかと思います。ベージュの色味が、安定する地点にまで持っていけるかは、なんども作らないと分からないことです。
そして、定番にしなくては、なんども作ることも出来ません(少量で染めるには革屋さんも僕も負担が大きい)ので、歩みを進めることにします。
 
試行錯誤ができるという、幸せな環境で革が作れたのは、革屋の佐藤さんの存在によるところが大きいです。いろんな素材がなくなっていく中、素材である革から作ることができ、なおかつ新たなチャレンジができることがなんとも嬉しいです。
 
これまでともに歩んできた、キャメルとブラウンに別れをつげるのは、少しさみしくもありますが、まだある革を作りながら、さよならとありがとうを伝えようと思います。
 
 
 
2023.6.26 | information material

2023.6.21

over the RainCowについて

 
キーホルダーとカード&名刺ケースは、over the RainCowという名前で、西日本豪雨の際に、水に浸かった革の汚れをさけて裁断できるように考えた小さなアイテムたちです。
 
水に浸かった革は、残り少なくなりましたので、over the rainCowのアイテムは、水に浸かった革ではなく、裁断して残った小さな革を使って作りつづけます。
 
長い時間をかけて、水に濡れた革を生かすことができました。ありがとうございます。
 
over the rainCowという名前は、当初のいきさつを反映したものですが、革を使い切ってムダにしないという、方向性は同じですので、そのままにすることにしました。
 
 
パッケージは少し変えました。キーホルダーを見た方が、「∞ インフィニティーだね」と言ってくださったので、モチーフにしました。改めて、よろしくお願いします。
 
 
2023.6.21 | information products

2023.5.15

ビニロンシリーズの廃色について

 

ビニロンシリーズは、サックス、チャコール、レンガの3色展開でアイテムを制作しておりますが、ビニロンの生地の生産が難しくなり、廃盤になるとの連絡を生地屋さんからいただきました。在庫限りで終了とのことでしたが、チャコールの生地はずでに在庫がなく、チャコールは工房にある生地がなくなり次第、終了となります。

サックスとレンガのみ生地を仕入れる事ができました。
今後はサックスとレンガの生地がなくなるまで2色展開になります。2色を制作しながら、次の素材を探せたらと思っております。



急なお知らせとなりましたが、僕自身も数日ほど前に知りました。
在庫がある別のカラーを加えた新たな3色にしよう、とか、チャコールの生地を持っている生地屋さんを探したりもしましたが、残った2色を並べて眺めていると、「2色という少ない色展開もいいのでは」と不思議と腑に落ちている自分もいました。

 



生地屋さんと「素材との別れは寂しいですね。」と、生地がなくなっていく感触を話せたのもよかった。ビニロンのチャコールくん(生地屋さんの色ネーム・スレートブラック)ありがとう、大好きでした。ちゃんと言葉にしておきたいと思います。

ひとまずは、手元にある素材を慈しみながら、しっかり制作していこうと思います。



花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ 

 

 

2023.5.15 | information

2023.5.12

5/25-6/4「ANDADURA 展示会」at ロク(京都)

京都のロクさんで、5月25日から6月4日に、手のひらにおさまる小さなお財布たちの展示を行います。定番の革 & ビニロンの中から、小さなお財布を展示します。

写真は新しく作ったベージュの革です。革屋の佐藤さんと、ここ1年くらいずっと試行錯誤していた色。

ベージュの色は、独立してから、佐藤さんに要望していた色です。
これまでは、僕の希望するベージュの色味が出せないと言われてきました。
顔料を使えば出せるけど、タンニン鞣し&染料では、タンニンの色味が出て難しいとのことでした。

数年ほど前に、ベースに使用する革を栃木レザーから、昭南皮革に切り替えました。
昭南皮革の革は、ヌメの状態で、少し赤みがあります。ベースに赤みがあるならオリーブのような緑を含んだ色で染めたら、綺麗なベージュになるのでは!との着想のもと革作りをスタートしました。色を染めることに意識が向いてましたが、打ち消しあう染め方があるとは、いやはや盲点でした。

ベースのヌメは裏面は白いので、素直にオリーブの色味になります。この表裏の色の違いが、どうなんだろうと頭を悩ませましたが、自分でサンプルを使っていると、なぜだかは分からないけど、裏面の緑みがスーっと消えていき、素直な色味になりました。まだ、1つしか使っていないので、全てがそうなるとは言い切れないですが、この葉っぱのように変わる裏面の色も、ベージュの革の面白い&不思議なところです。「ヌメで作れませんか?」と要望をいただいたこと、ヌメのベースに赤みがあることなど、さまざまな偶然が重なり生まれた色味です。

ベージュの革について書き始めると、長々となりますので、また改めて書きたいと思います。

ようやくお披露目できるのが楽しみです。
小さなお財布と共に、見ていただきたいです。



「ANDADURA 展示会」
会場:ロク
京都市左京区聖御院山王町18番地メタボ岡崎101
日時:5月25日(木)〜6月4日(日)
営業時間:13:30ー18:00  水曜定休

 

2023.5.12 | information

2023.3.10

3/12-28「ファーストリュック展示販売」at bollard(岡山)

 
岡山のbollardさんにて、子供たちが最初に使うファーストリュックの小さな展示を行います。
 
2023年のニューカラー
 
よあけ
たいよう
わかば
すみれ
あかつき
 
の5色。
 
bollardさんでは、去年に引き続き、2回目のファーストリュックの展示です。
定点観測のように展示させていただけるのがありがたいです。
 
気持ちの良い季節の玉野でご覧いただけたらと思います。
 
 

広島にあります、認定こども園さざなみの森さんと一緒に作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。

さざなみの森の一角ではじまった minato: の活動として、じっくり対話を重ねながら、デザインさせていただきました。

リュックの色は、広島の田んぼ、岡山の田んぼを、それぞれ場所で眺めながら決めた、稲穂の垂れた秋を映す色。子どもたちへの成長の願いを込めた色です。

 

 
minato: 
さざなみの森の一角ではじまった さまざまなものづくりや場づくりを通して、一人ひとりが自分らしく生きていける世界へと向かう旅に寄り添う活動として、2021年に始まりました。
 
 

bollardさんより

 

子どもが、はじめて背負うリュック。
やさしい背負い心地と、やさしい色。

リュックを背負う姿を眺める人たちまで
やさしさに包まれるような『ファーストリュック』。

昨春にお披露目し好評だったリュックの、2023年版、
ジップの差し色新たな5色展開です。

生産数が少ないのですが、
今年も期間限定でご紹介できることになりました。

ぜひ、お気軽に実物をご覧になってくださいね!
春の宇野港でお待ちしています。


「ファーストリュック展示販売
会場:bollard 
岡山県玉野市築港1-10-6
日時:3月12日(日)〜28日(火)
営業時間:13:00ー17:00(日・月・火)
 
 
2023.3.10 | information

2023.2.20

2/25-4/6「小さな財布展」at カタカナ(東京)

 
自由が丘にあります、カタカナさんで開催される「第6回 小さな財布展」に参加します。ANDADURAの中でも小さなビニロンのアイテムたちを出品します。ビニロンのお財布をお使いいただき、お声がけ下さいました。
 
 「小さな財布展」は、さまざまな方が、小さなお財布を出品されています。
個人的には、ビニロンのお財布にスポットが当たることが新鮮で、いろんなお財布の中にビニロンのお財布が在る、というのが楽しみです。
 
4月6日までと長い会期になっています。ご覧いただけましたら嬉しいです。
 
 
「第6回 小さな財布展
会場:カタカナ自由が丘店 & オンラインストア
日時:2月25日(土)〜4月6日(木)
営業時間:11:00ー19:00(火定休)
2023.2.20 | information

2023.1.28

2/4-25「色奏環」at 84(広島)

 
広島の84さんにて、子供たちが最初に使うファーストリュックの展示「ファーストリュック展 ー色 奏 環ー」を行います。
 
最初にファーストリュックを作るお話をいただいた際に、心弾んだのは、自分が作った色の組み合わせを、ひとつの環境で見ることができる、ということでした。
 
子どもたちが登下校に使うリュックは、一つの環境の中に在って、その場所の風景になる。
環境、風景からものの形や色をイメージする。そんな作り方ができることにワクワクしました。
さざなみの森ににいく人、帰る人、たまたま通りがかった人、近くに住む人、さまざまな人が見る風景が、ささやかでも気持ちの良いものになればいいなと、園の周辺を散歩しながらリュックを考えました。
 
2022年に行った、選べるファーストリュック展で、35色のファスナーカラーを実際に作ったからこそ見つかった5色だと思います。
 
よあけ
たいよう
わかば
すみれ
あかつき
 
色を擬人化するならば、ともに響きあう5人かと思います。
 
楽しさ・よろこびがハーモニーのように、まざり合えばとの思いを、色奏という言葉にたくしました。色相環、は色彩用語で、色の輪です。色がつながり輪になる。
 
色の輪を見にいらしていただけたらと思います。
 

「ファーストリュック展 ー色 奏 環ー」
会場:84 
広島市中区幟町7-10
日時:2月4日(土)〜25日(土)
営業時間:13:00ー17:00(水日定休)

2023.1.28 | information
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