ANDADURA

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2010.9.1

秋の夜長

さて、僕はジーパンが好きである。きちんとした格好をして行く必要がなければ、
大抵ジーパンを履いている。
と言っても、何もビンテージだとか、何年代のこれこれが…
というような事はなく、サイズが良ければ、満足して履いている。

ジャストサイズのジーパンが2本穴があいた。
昨日の深夜、ふっと思い立って、ジーパンの修理を始めた。
これが面白いのなんのって、ジーパンの厚さを維持しつつ穴を埋めてゆくのである。

さて昨夜の成果です。











よく見ると、いろんな穴があって楽しい。
そして、修理も面白く、もっと破れたジーパンは無いのか、といささか倒錯した
心持ちにすらなる。穴埋め作業は奥深く、糸のチョイス(昨日は家にある糸を使用)
から、縫いのピッチ等々、あと10本程直せば、すごく上達しそうだ。

さて、我が家には、いろいろ、修理をまっている物が沢山ある。
秋の夜長はいろんな修理を楽しもう。

次は、折りたたみ椅子の布の貼り直しをしよう。
そして、やってみると楽しいので、
はまりすぎない様、気をつける事にしよう。

あー、秋の夜長が楽しみだ。
2010.9.1 | note

2010.9.17

土井さんとベランダで

すっかり秋だ。気がつけばロンTを着ている。それだけでただただ嬉しい。
そうロンT、大好きなのです。

朝、夕と肌寒く、そんな日は、ベランダで、土井さん(前回登場)と話をする。
夏で、思考停止されていた頭が、ようやく、少し回転を始めた。(長かった…夏…)

ベランダにコーヒを持ち、土井さんとおしゃべり(といっても独り言に近いのですが。)

ヤ(ヤマモトの略)「土井さんは、なんで工場長になったの」
ド(もちろん土井さんのド)「工場長は総合的だからな。」

ヤ「そんなに総合って魅力的?」
ド「今となっては、部分的な事ななんて、興味持てんな。」

ヤ「何故?」
ド「おまえさんは、総合って簡単に言うけど、どう考えてるんだい?」

ヤ「うーん。総合は総合でしょ、土井さん。」
ド「総合ってのはだな、人体みたいなもんさ、部分が全体であり、全体が部分なんだ。」

ヤ「実に分かりにくいよ!」
ド「そうさな、分かりにくく言うと、分かりやすくなるかもな、例えばおまえさんが、
完璧に総合的にバランスがとれたものを作ったとする。」

ヤ「うん。」
ド「それはね、三日月の端にクリップで留めたメモのようなモノになる。」

ヤ「?」
ド「つまりね、誰も気づかないのさ!そんなものがあることに。」

ヤ「それに意味はあるの?」
ド「意味は無くはない。百人に一人位は、気付くんだ。月に何かあるぞって。」

ヤ「うんうん」
ド「そして、運良く気付いたとしても、何て書いてるのかは、分からないんだ。」

ヤ「また振り出しだね。」
ド「そうでもないさ。お前さんが、見たければ、何て書いてあるか、見ればいいのさ。」

ヤ「土井さんは、見たの?何て書いてあるか?」
ド「ワしゃ、見ておらん、あんまり、見たいとも思わんのでな。」

ヤ「そんな!きっと素敵な言葉が書いているよ。」
ド「素敵かもしらんが、わしは見たくないんだ。後戻り出来なくなるからな。」

ヤ「後戻り?」
ド「そう。秘密は秘密のままでいいんじゃ。」

ヤ「そんなもんかな?」
ド「わしにとってはな。おまえさんは、見た方が、良いんかもしらんが、
誰にも、そんな事は、分かりゃせんよ。」

ヤ「今日は、なんだか抽象的な話だね。」
ド「抽象的な事も、突き詰めると、具体的になるし、一定のポイントを超えれば
それらは、繋がっておるんじゃぞ。」

ヤ「そんなもんかな。」
ド「そんなもんじゃ、経験則じゃ。」


などと、つらつらとりとめもなく。
やはり、一人の時間が長いと、それなりに楽しみをみいだすんだな、人って。(僕ってだな。)


ベランダからの風景。吸い込まれそう。
2010.9.17 | note

2010.8.30

【column】機能性について

シャワーを浴びる前のひとブログ。スパゲティータイムコラム。

さて、いつ頃だったか、機能性という言葉が巷間でよく聞くようになった。
僕が高校生の頃か、まあその辺りだったと思う。
そして、僕の反応は「本当か?」というもの。疑り深いというか、
受け入れるまでに時間がかかる、そして受け入れた後だって、
たまには「本当なのか?」と検証したりする。我ながら厄介な性格である。

今思うと、機能性という言葉は、何も使いやすさを表す言葉ではないような気がする。
機能性という言葉が囁かれ始めた頃、いろんな技術の発達により、電子機器のポータブル化
があったのではないか?そしてポータブル化に合わせ、鞄業界もそれに合わせ、
ポータブル商品の持ち運びを進める事となる。その際にその現象を表す言葉として
「機能性」という言葉が採用されたのではないだろうか。

だってさ、(なんちゅうものいい)僕にとって機能性を詠われた鞄が、使いやすかった
事なんてないもの。「ポータブル化対応鞄」なんて控えめに言って欲しいと思うが、
それでは売れないのだろう、しかし…である。

そしてなんで機能性鞄が使いにくいか(というか僕と相性が悪いか)いろんな物を
持ち運ぶ、ノートパソコン、アイフォン、手帳などなどを持ち運ぶと、当然それらの機械を
使う事となる。そうすると、~ながらという機会が増えるのである。
要するに、機能性バッグを持つと、気が散るというか、散漫になる。
幸田露伴は、著書の中で、一つの事をやる時は、それに集中しなさいと言っている。

僕はこれに賛成だ。だから例えばポケットが一つの鞄を持ち、何を持ち歩くべきかを検証し
必要な物のみを、持ち運ぶ。ポケット一つだからこそ、検証する。
そう考えると、ポケット一つ位の鞄の方が、機能的と言えるのではないか?

すっきりした、吐き出す事は気持ちが良い。
しかし、なぜ、コラムを書こうと思った自分自身が謎である。
またそんな気分になったら、また書いてみようと思う。

それでは、シャワーを浴びてきます。
2010.8.30 | note

2010.8.29

大海原

ANDADURAでは、使う部位に併せ、2種類の革を鞣してもらっております。
以前のブログで紹介しました半シュリンクと1.1と呼んでいる革の2種類。

今回は1.1の革の紹介です。
1.1とは、革の厚みの事、1.1mmの厚さの革という事です。
因に半シュリンクは1.6mm~1.8mmの厚みでお願いしております。
この2種類の厚みの革を、さらに、「漉き機」で部分的に厚さ調整してから
使います。

1.1mmの革は、内側のカード部分や、名刺入れなどで使っております。
名刺入れは、内ポケットに収まる厚みにするため、1.1mmの革で作っております。

それでは、1.1と半シュリンクの質感です。
まずはおなじみ(?)の半シュリンク



半シュリンクと1.1の革





少し離れて撮った1.1。大海原のよう。
まったくきれいに見えますが、革は生き物。
近くから撮ると



部分的に傷やら、何やらがあります。
「なるべくピタッと」とお願いしております、「大海原」(気に入りましたこの呼び名)
ピタッとする為には、バインダーアイロンという行程を経ます。

裏から、革にアイロンをかけます。しかし、あまりに強いと、革の表面の
表情がなくなる為、表情は生かしつつピタッとアイロンがけ。

その為、革の繊維がつまり、薄くても、張りのある革に仕上がります。
今回は「大海原」の紹介でした。
2010.8.29 | information

2010.8.27

ファスナー引き手が出来るまで

ANDADURAのファスナーには、革の引き手がついております。引き手は、旅立つ時に備えまとめて作ります。

本日はその引き手が出来るまでをレポート致します。



まずは引き手の抜き型。これは、抜き型屋さんにお願いして作って貰います。
細かいパーツなどはこの抜き型を作ります。



そして『抜き型抜き機』と呼んでいるもの、自作です。
これを、トンカチでトントンと抜きます。



抜き型抜き機で、抜いたパーツ達。これに、染料を塗り縫ってゆきます。



沢山縫いました。小さいパーツなので、丁寧に縫います。
ここから、糸処理をし、コバを磨きます。ヤスリで整え、魔法の液体をつけ
さらに磨きます。



出来上がった引き手達。旅立つまで、ファスナーボックスに収められます。



ファスナーボックス。ファスナー関係のパーツが収められております。
これから揉まれる荒波に備え、待機です。人間に例えるならば、『学生時代』
といった所。

本日は3分(以上かかっているけど)引き手メイキングでした。
2010.8.27 | note

2010.8.26

宿題【益子参考館レポート】

さて、重い腰は上がりました、なんせ、自分でレポートと言ったものの気分は宿題。
そう言えば、夏休みの宿題は、ぎりぎりでこなしておりましたもの…

という訳で、参考館についての写真を選びながら、
これは、伝わらないだろうな…と思った。
やはり身をその場にを置いて感じる事が、参考館の本質なのであろうが。

それでも、分からない、なりにも提出するのが、宿題の性。
100点じゃなくても提出さえすれば、廊下に立たされる事も無い…
という0点意識&言い訳からレポートを始めたいと思います。

それでは、参考館の写真(たくさん)を載せますので、
ゆっくりご覧下さい。それでは、参考館の門から写真は始まります。































さて長々とご覧頂きありがとうございます。
何か感じましたでしょうか?

おそらく写真になると感じる事は難しいですね。
参考館フリークの僕でも参考館の記憶を参照する事しか出来ません。

という訳で、初めての参考館で感じた事を、つらつら書きたいと思います。

初めて参考館に行ったのは3年前の事。その頃は設計会社を退職し、
鞄の工房で修行中の頃。

参考館に行く前にある方から「古いものを見なさい。」と言われた。
正直、骨董市にも足しげく通い、古いものを見ていたのだ。

そんな事があり、参考館に行った。
気持ちが良かった…なんだか分からないけど、眠たくなった。
なんでこんなに気持ちが良いのか分からなかった。

けれども、設計という場所で感じてきた違和感みたいなものが
分かった気がした。僕はモノを作る時、頭でモノを考えていたのだ。
その場所の事、その場所の歴史や風景や、そこに住む人の思いや、
そんなモロモロを見ず、考えず、平面図を眺め、それこそが
僕が考える、唯一の要素だったのだ。そう考えると、寂しくなった、
悲しくなった。

参考館は人の手の入ったものでも、気持ちが良い。
山と藁葺きの家、門や、置物や、大壺が自然と調和している。
きちんとその場所に向かい合い、身体で感じて作っているのだ。

そして「古いものを見なさい。」と言われた意味が分かったような気がした。
結局の所、僕は古いものを見るにしても、デザインという限られた見方をしていたのだ
と思った。表層の素材や形などを面白いと言って見てたけど、何も見てはいなかったのだ。

そしてこんなものが作れるんだと、モノを作る意味が見えた気がした。
それまで「無い方が良い。」というのが口癖の僕には、モノを作る意味が
分からなかったのだ。(もちろん経済活動なんだな、みたいなニュアンスでは
理解していたが…)

益子参考館は、展示されたモノもすばらしいが、その参考館自体を濱田庄司は
伝えたかったのではないだろうか。

僕にとって、物を作る意味が見えた場所。
行く度に、まだまだだ、と思うものの、目線の先には、そんな世界が広がっているのだ。
ありがとう、参考館。

そしてその帰りの車中は、ホント怒っていたっけ、勝手に
目に見えるプロダクトを見つけては、気持ち良くない、と。
車中を共にした、友人には悪い事をしたと思う。
感動したかと、思うと、次は怒りに満ちあふれている、
ほんとややこしい性格(単純とも言いますね。)ですまない。

長々となりましたが、参考館レポートです。
これを読んで、参考館に興味を持って頂けたら嬉しいです。

それでは、宿題を終えた子供のように、遊びに行きたい所ですが、
今は夜。おやすみなさい。
2010.8.26 | note

2010.8.22

本日

益子、宇都宮より戻って参りました。
宇都宮では、ATELIER n°18 TRAVAILさんにお邪魔しました。
陳列棚に並べられた、小物達、大切にされている姿が、嬉しく思いました。

益子ではSTARNETさんに…
夏の益子は初でしたが、気持ち良く、
そしてそして、もちろん益子参考館にも行って参りました。
また参考館レポートは、明日にしたいと思います。(膨大な写真を撮ったもので…)



猫に生まれ変わったら、参考館に住みたいな、と思う程、
気持ち良さそうな猫たち。その動きは野生でした。
それでは、レポートお楽しみに。
2010.8.22 | note

2010.8.21

8月23日より

8月23日より宇都宮、益子へと行って参ります。戻りは25日の夕方になります。

僕の魂の場所益子参考館の写真もきっちり撮ってレポート
したいと思います。いろんな方とお話してまして、
益子参考館は他の民芸館とどう違うのか?
と言われる事も、ございます。

その辺り、僕が感じた事が伝わる様、写真もばっちり撮って参ります。
お楽しみに。(こんなハードル上げちゃって大丈夫かなぁ)
2010.8.21 | information

2010.8.16

お取り扱い店舗『84』

広島の暮らしの雑貨と食材のお店『84(ハチヨンと読みます。)』さんで
お取り扱い頂く事となりました。

店主の大田さんは僕と同世代。そんな大田さんから頂いた、
DMには、「ユーモアあります。」と書かれていました。
大田さん曰く
「ユーモアの語源はヒューマンなんです。人の通ったものって意味です。」

そんな大田さんのお店『84』には、ひとを感じるものが沢山あります。
雑貨も文房具もオリーブオイルも、丁寧に作っているものは人の気配がするのだ…
そんな空間で、ANDADURAの気配を感じて頂けたらと思います。

因にちなみに、『84』は大田さんの生まれ年、1984年から、
そして人とひとの架け橋(84)からきております。
そして、電話番号の下4桁は1984。そしてそして、営業時間は20:04分まで。
そしてそして、住所は8-7、と84ではないですが、
偶然にも僕の誕生日8月7日なのでした。 そしてそして…
2010.8.16 | shop

2010.8.15

マシーン

成型マシーンが完成しました。これまでは、アールが合うものを購入して
使っておりましたが、細かい形まで、指定して作ってもらいました。





貝殻小銭入れの成型に使っております、成型マシーン。
そもそも、マシーンという程のものではないですが、
そんな単機能のものをマシーンと呼ぶとなんだか、
言葉とのギャプが、微笑ましい。

少し話はそれますが、いつも(ほんと毎日!!)お世話になってる
ミシンの語源はマシーンです。
ミシンの誕生は、悲劇的な逸話がたくさんあります。
ミシンの誕生にまつわる話は、『発見発明小辞典』エドワード・デ・ボノ
に載っております、興味がある方は是非。

やはり記憶は曖昧です。
僕の中では、マシン(ミシン)とグーデンベルクが同時期だったのですが、
ウィキペディアを参照した所、マシン1755年、グーデンベルグ1450年でした。
まったく、記憶とやらはあてにはなりません。

さてさて、話はそれましたが、成型マシーンで、より良い形に(気持ちですが)
なりました。
2010.8.15 | note
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