ANDADURA

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2018.12.8

ネコのおじちゃんの石垣

我が家の隣(と言っても50mくらい離れている)の家に住む
ネコのおじちゃん。ネコを沢山飼っているおじいちゃんを
我が家ではネコのおじちゃんと呼んでいる。

数ヶ月前から、日中にカンカンを石を割る音が聞こえる。音の元を
探すとネコのおじちゃんが石を割っているのが見える。
豪雨の時に崩れた岩をツルハシで砕いている。

そして、先日気が付くとネコのおじちゃんの家に石垣が出来ていた。
これって、あの割った石で組んだの?
これは、ちょっと信じられない。ねこのおじちゃんと呼んでいるけど、
おそらく80歳は超えているおじいちゃんだ。

出来上がった石垣が近くで見たいのと、石垣の作り方を教えてもらおうと、
ネコのおじちゃんを訪ねる。


石垣の作り方を聞くと、薄々そういう答えが返ってくるかなと思っていたけど、
「適当に組む。」との事。
話を聞くと、豪雨の際に土砂崩れがあり、6個のおおきな岩が出て来た。
最初は業者さんにお願いして岩を砕いたけど、あとは、人力で
砕いて、石垣を組んだ、との事。



近くの木にはネコのおじちゃんの腕時計が吊るしてあり
「まぁ、遊びみたいなもんじゃ。」とおっしゃる。


石垣作りのコツは適当に組む事と、
素人ならば、キチンと面を揃えると綺麗に見える、と教えてもらいました。
文字で書くと出来なそうですが、実際に話を聞き、おじちゃんを見てると
出来るなと思わせてくれる、教えです。



民俗学の宮本常一さんの石垣の話を思い出します。
綺麗に組まれた石垣を見て、誰にも見られないのに
どういう思いでこの美しい石垣を作ったのか、という話。

先日我が家の大家さんが家に来た時に、
立派な石垣が出来ているから見に行こうと、近くでマジマジと眺めていました。
「いい石垣ですよね。」と声をかけると、
「立派な石垣じゃ。」と。

家から毎日見える場所にある石垣だけど、
見てると、とっても気分が良くなる石垣です。
2018.12.8 | note
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