ANDADURA

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2017.4.10

革について

1日に2本のブログは久しぶりです。
展示会の際に様々な革を見て頂きましたが、ただ革だけより、補助のような文章が
あったほうが良かろうと、革についての文章を書きました。

革について書くのは、なかなか難しく、変に苦労話になったりしますので、
結構何度も書き直し、愛着もあるので、PCのブラックボックスに飲み込まれる前に、
こちらにアップします。


「ANDADURAの革について」



この革はANDADURAで使用している革です。
出来上がったヌメ革から、加工しANDADURAの革を作ってもらっています。

通常は半裁と呼ばれる形で仕上げますが、
ANDADURAの革は半裁を幾つかに分けて仕上げております。
表に使用する革をなるべく良い部位で使えるようにする工夫でもあり、
なるべく残さず素材を使えるようにする工夫でもあります。
革屋さんが作業しやすい革の大きさも考慮し、分ける部分を考えてます。

革の隅に、六とか七とかの数字がありますが、
これは仕上げる前の革の厚みです。
通常は後漉きといって、出来上がった革を最後に漉いて厚みを調整するのですが、
ANDADURAの革は裏面も仕上げる為、最初に漉いてから革を仕上げてゆきます。
革を仕上げる加工の段階で、革の厚みも変化していきますので、
毎回加工前の厚みを分かるようにして、データをためてゆくわけです。

こんな風に、半裁の革を分けて作ったり、数字を刻んでもらったり、裏を仕上げたり、
毎回厚みが変わったりという(手間のかかる)革づくりが出来るのは、
佐藤さんという革屋さんの存在があってこそです。

ANDADURAを初めてすぐにいろいろな革屋さんを回ったのですが、
小さなロットでも、面白がって革を作ってくれるのは佐藤さんだけでした。
佐藤さん曰く「もう一人いるよ。」との事ですが、
ANDADURAが素材から作る事が出来るのは、そんな革屋さんに出会えたからです。

革というものは、シミもあるし、傷もあります。革を作る際に汚れもつきます。
染料が入りにくい部位もある自然物です。僕はよくナマモノと呼んでいますが、
それを裁断してお財布やペンケースなどを作っています。
同じように見えても、よくよく見れば一つ一つ違う表情を持っています。

革は日々僕が向かい合っているものでもあります。
革というナマモノと出来上がったもの、共にじっくりご覧頂けたらと思います。

去年から仕事を手伝ってもらっている妻の綾乃に、『-AYANO REPORT-』と称し、
見たこと、感じた事などの記録をまとめてもらっております。
興味ある方は、そちらも合わせてご覧いただけたら幸いです。


「端革について」


こちらは、使われなかった革たちです。
端革を販売する事は今までしなかったのですが、
今回は展示会に合わせて販売致します。

展示している革のキャプションで革はナマモノと書きましたが、
端革をご覧頂く事がいちばんナマモノ感を感じて頂けるのでは、と思ったからです。

ここにある革は、革の質が悪かったり、厚みが足らなかったり、逆に厚すぎたり、
汚れてたり、など様々な理由で、使用しないと判断したものです。

端革は、いろんな時期のいろんな革が混ざっております。
革を作るにあたって、毎回作り方を微妙には変えてますが、
基本的には同じ作り方をしています。ロットによって色も違うし、質感も異なります。
さらに言えばロットが同じでも結構違ったりもします。

端革を通じて、革のナマモノ感を楽しんで頂けたら幸いです。
気に入った革がありましたら、何かに使って頂けたら嬉しいです。



京都の桜を楽しみにしておりましたが、少し時期が早く、まだ咲いてなかったのですが、
1本時期を間違えて満開になってました。こういう桜を僕はバカ桜を呼んでます。
何故か自分と重ね合わせてしまうのは、僕だけでは無いはず!
2017.4.10 | note
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