ANDADURA

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2010.9.12

夏のおわり

夏の終わりを感じたのは、2日前。銭湯で体重を量った時の事。

この猛暑で沢山汗をかいたせいか、体重が4キロも落ちていた。
もともと指名手配になったなら(ならないだろうが)「御用ポスター」には
「170センチ・痩せ型」とかかれるであろう僕のどこに4キロも落ちる肉が
あったのかと、驚いた。

ふっと、気がつくと無意識で「もうこれ以上は落ちないだろう。」
とおもっている自分を発見した。夏の終わり。

そして、この夏、不思議に心に残っている言葉がある。
8月7日の事。(自分の誕生日だからはっきり覚えている)
帰郷していた僕は、友人の結婚式に向かう為、
バスにのって目的地へと向かっていた。このバスは、
僕が高校に通っていたバスで、山をひとつ越え「呉」へと運んでくれる。

そんなバスの中で、隣の座席に座っている2人の高校生の会話
「俺、小説を書こうと思ってる。」
「うん。それなら、自分が体験しなかった事を、思い出して書けばいい。」
と聞こえてきた。

そして、先日とある本の中で、小説家のポール・オースターが同じ事を言っていた。
オースターの場合、「小説は起こらなかった事を思い出して書く事だ、
だから、フィクションを書く事は、ノンフィクションを書くより難しい。」だが、
ポイントは同じである。

そして、オースターの言葉を読んで、あの高校生の事を思い出したのだ。
あの高校生も読んだのかな…
と思ったが、聞こえてきた声は自分の言葉で語るときの声だった。
読んだか、読んでないかは、全くどうだっていい。

なによりも、僕の耳に聞こえる声があったのだ。
そして、今思い返すと、なんだか、嬉しい誕生日プレゼントを貰った
ような気がするのである。
2010.9.12 | note
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