数年前に広島の84さんでの展示の際に革について書いた文章です。
この時期は革作りが一時的に安定していた時期なんだな、と記事を読んで思います。
革について書くときに、革はナマモノとよく言っていますが、
まさに現在も試行錯誤しながら革を作っています。
この頃は栃木の革のベースで革を作っていましたが、
今は昭南皮革の革をベースにしています。
いろんな事を変化しながらやってきましたが、
変わらないのは、革屋の佐藤さんと一緒に作っている、という事と、
いい革を作りたいよね、という2人(僕と佐藤さん)の心持ちでしょうか。
前に書いた文章ですが、
革作りについて正直に書いていますので、
読んでみて下さい。
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・革作りについて
ANDADURAで使用している革はオリジナルで作ってもらっています。
モノのベースになるもので、思い切って言えば、素材が良ければ
良いものになるし、素材が悪ければ、それだけのものにしかならない。
だからこそ、日本の革で職人さんとともに素材作りから行うことにしました。
革という素材はなま物で、その時その時で上がり方が違います。
あまりに異なる事が多い為、「農作物みたいなもの」と考えるようになりました。
雨が少なかったりといった天候に左右され、完全なコントロールはしにくい農作物の
ようなものだなと感じるからです。
ANDADURAをはじめて、数多くの革を使ってきました。
革が届くと革屋さんに感想を伝え、そして、次に作る革の方向を決めてゆきます。
毎回毎回良くなるように、作り方を少し変えては元に戻したりします。
ほぼ毎回微妙に異なるやり方で作ってきました。
革屋さんの良い革と僕の考える良い革は微妙に違います。
僕は製品になった時に良い革を良いものと考え、革屋さんは革としての良さを求める傾向にあると思いますので、毎度そのズレも話し合い、展示会にも来てもらい、求める革を共有する作業も必要になってきます。(革屋さんと話し合う為に、携帯は話し放題プランにしたくらいです。)
毎回「今のベスト」を目指して作ってきました革ですが、ようやく求めるものが安定するようになってきました。
素材は活動のベースですので、6年をすぎ、ようやくベースが安定した訳です。
ANDADURAを始めオリジナルな革で作る、と決めた時、「革作りは5年は踏ん張ろう」と決めました。生々しい話しですが、オリジナルで作る以上、どんなものも買い取ります。ですので、使える部位が少ない革が届くとビールではなく発泡酒を飲む事となります。
あれこれ話し合い、時に揉めたりしながら、首の皮一枚でつながっている状況になる事もありましたが、それでも、信頼できる職人さんと素材から作れる事は、常に喜びを感じます。
そんな革がベースになって、形を支えてくれています。