ANDADURA

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2024.7.22

tiny wallet を仕様変更しました

 

妻が、tiny wallet を使用した際に、扱いが少し不安とのことで、使い方を見せてもらい、
このお財布が、右利きの方が、お札の出し入れがしにくい、左利き仕様になっていることが分かりました。

ANDADURAのお財布は左右対称で、どちらの利き手でも使えるものが多いですが、コンパクト財布のように、左右対称ではないアイテムを作る場合は、僕が左利きですので、右利きの方に使っていただき、利き手の検証をしていました。その際に、右利き用のお財布でも自分自身が問題なく使えることで、自分は、お財布は右利きとの認識になっていました。

お財布を作る際に、さまざまな検証は行いますが、自分のお財布の使い方は、右利きと変わらないと認識していたので、盲点となり、このお財布には利き手が関係していることへの検証が抜けていました。

online shopで購入いただいた方、納品したお店さんに連絡して、 右利きのものと交換させていただきました。お使い下さっている方には、「使いにくさは感じないので、そのまま使います。」とおっしゃってくださる方もいらっしゃいました。

 

tiny wallet は、これまでの型紙を反転させた、右利きの仕様に変更いたしました。
今後、利き手の検証はしっかり行ってまいります。
 

 
LGW14 - tiny wallet
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5
 
これまで制作してきたtiny walletは、左利き用として online shopで継続いたします。
いさぎよく、引っ込めることも考えましたが、左利きの方で右利きのお財布がどこか使いにくい方や、率直に利き手に合うお財布がいいな、と感じられる方もいらっしゃるかと思いました。
 
左利きの方は、知らず知らずのうちに、右利きの仕様に慣れて、右手を使えますので、左利き仕様の方が使い勝手が断然いい、とまでは感じませんでしたが、左手を使って小銭やカードやお札を取りますので、その分スムーズかと思います。左利き財布を使ったからと言って、右利き仕様のお財布が使いにくくなるという弊害も、今のところ感じていません。
 

 
LGW14 - tiny wallet - 左利き用
size : w95×h65×d20 (mm)
card : ×5
 
左利きアイテムということで、手で持った写真は山本の手で撮りました。
お財布の写真というより、手がお財布も持っているというバランスの写真になっていますが、よろしくお願いします。
 
LGW14 -  左利き用は、こちらからご覧ください。
 
 
2024.7.22 | information podcast

2024.4.2

grid & line

 
長年、取り組みたいと思いながらも、やってこなかった(というかできなかった)、装飾というテーマでopen caseを作りました。かれこれ、何年くらい自分の中にあったテーマだろうか?
 
去年の誕生日に、「憧れ」というタイトルでブログを書いたけど、それは、装飾というありかたへの憧れであった。このタネは、20代の中頃に、「シンプルさと個人になっていく社会の現象はリンクしている。」という文章を読んだときに蒔かれ、時とともに装飾への憧れに変容してきた。
 
たとえば、100年前、柱にライオンと人が彫っている建物のそばを散歩している母子がいる。
子供は問う「ねぇ、あれ何?」そうすると母は答える、「うん、あれはね」と言って物語が語られる。
 
おそらくつるんとした柱であったならば、そのやりとりは生まれない。
装飾は物語を共有(あるいは起動)する装置として存在しそれと同時に、そこに物語をよみとれる人たちがいる。
大きなものがたりの弊害のようなものがあるにしろ、動物や植物や風や、太陽や人間が織り混ざった世界の中で生きることは豊かだと思う。
 
シンプルを指向する世界では、個人は知らぬ間にさまざまなものから切り離され、物語を読み解くことも、そこに物語があるということも少しずつ忘れていくのかもしれない。
 
「シンプルさと個人になっていく社会の現象はリンクしている。」
の一文を読んだ時、僕が興味を持ったのは、じゃあ、シンプルがいくところまでいった時(それはそう遠くないように思われた、もしかしたらそれは今なのかもしれない)に、どのような形や、あり方にリアリティが宿るのだろうか?そして、人間のありようはどんな影響を与えるのだろうか?そして、そもそもその先は、どうやって探せばいいのだろうか?
 
そのシンプルの先の形に、装飾に求めるのは、いささか強引だとは自分でも思っている。
それは、形として現れるものではなく、日々の過ごし方や、人との関わり方や、言葉の使い方であったり、目に見えぬ、ささいなさまざまな事象に現れるような気がする。
 
ものだけでなく、ものとそれをつくる自分と、それに連なるさまざまなものをトータルに見てコツコツと風通しをよくしていく方が、賢明な道筋なのかもしれないと思う。
 
シンプルの先とやらを、シンプル ー 装飾という二項対立的な単純なものとして、とらえてはいやしないか?(シンプルー装飾という二項対立は素朴という言葉で統合できるけど。)
 
なんだか、話が大きくなりすぎてきた。作ったものを紹介する文章を書いているんだった。
 
 
ものをつくる人間は、感じたことを、ものとして現すことに喜びを感じ、それを作ることによって、いろいろな角度から、向き合い、考えることができる。
 
なので、いささかの強引さは、ここでは、少し目を瞑る。ものを考えるきっかけであり、そこに飛びこんでいくことなのだから。
 
僕にとって装飾は?と考えても、それは形ではないし、何かしらのモチーフでもない。
長年、取り組みたいと思いながらも出来なかったのは、装飾にたいして、自分のリアリティがまったくなかったからだ。(だから憧れていたとも言える。)
 
open caseの小さなサイズを作った時に、あっ今なら、作れるかもと思った。
 
それは、ここ1年間履いていた自分が直しになおしたズボンがあったから。
破れを補修したステッチを指先に感じる気持ちよさに、リアリティを感じることができたから。僕のリアリティは手で触れるということにあるようだ。
 
というわけで、自分の試みがうまくいっているのかどうかも分からないまま、自分が直したズボンに支えられて、ステッチを施す。
 
窓の外を眺めると、山桜がポワポワと咲きはじめていています。
 
 
 
grid & line」
 
少し柔らかな、スウェードにステッチで張りを持たせる。
間隔は、ミシンの1目の3.05mmを基調として考えてみる。
 
lineの幅は、どの幅が気持ちいいのか?
 
gridは何目であれば、open caseの形と連動してくれるのか?
 
印付けができない素材にどうやって、ステッチを入れる位置を記すのか。ステッチを入れると革が伸び、均等なステッチが入れられないのをどう解消するか?ステッチ問題に対しては、かなり原始的な方法で解決しました。
 
作りながら感じたのは、ひとりひとりがものがたり(ものがたりというかリアリティという言葉の方が適当かも)を見つけて紡いでいくんだ、ということ。装飾というテーマでしたが、自分にとって座標を消した中で、リアリティを探す旅であったように思います。
 
 
open case 
size : w188×h238(mm)
color :  light blue . chacoal ( grid & line )
 
 
 
online shopにアップしています。よろしければ、こちらからご覧ください。
 
 
2024.4.2 | information products

2024.3.14

コメル - 刻印

 

8年くらいANDADURAのお財布をお使いいただいている方から、ファスナーの修理のご依頼がありました。8年ぶりに再会したお財布には、お子さん3人の名前の刻印がありました。

修理とは別に、長男さんの大学の入学のお祝いにと、お財布に刻印を入れたい、とのご要望をいただきました。

刻印で打つ文字は、TOWEL(タオル)。タオルが手元にあると、落ち着くとのことで、長男さんが選んだ言葉。実際にTOWELの版を組み、刻印する。思いを込めた言葉を打つのは、気持ちいいなぁ。刻印を再開してみよう、という気持ちになりました。

ひとまずは、オンラインショップで、はじめてみます。

 

 

刻印のホルダーは金属加工の業者さんに「こんなの作ってください。」と図面を書いて作ってもらったものです。この道具を、また使えるのが嬉しいです。

 

 

 

 

フォントは、英字がバンハートメジウムゴシック、数字はゴウディ ボールド、
フォントサイズは4号(13.75pt)、築地活字さんの活字です。

 

刻印をご依頼いただく際は、文字の他に、言葉の理由についても、お伝えていただけたら(任意)、刻印を打つことが楽しくなり、山本が喜びます。

 

コメルはこちらからご覧ください。大切な言葉に出会えるのを楽しみにしています。

 

 

 

2024.3.14 | information

2024.3.4

\ First Rucksack colors /

 
さざなみの森さんといっしょに作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。
実験的に1点制作した色味のもので、紹介出来ていなかった色をonline shopにアップしました。ファスナーカラーの違いで、ずいぶん印象が変わります。イメージにぴったりな色味が見つかりましたら嬉しいです。
 
First Rucksack
 
広島にあります、認定こども園さざなみの森さん一緒に作った、子供たちが最初に使うファーストリュック。さざなみの森の一角ではじまった minato: の活動として制作させていただきました。
 
リュックの色は、広島の田んぼ、岡山の田んぼを、それぞれ場所で眺めながら決めた、稲穂の垂れた秋を映す色。子どもたちへの成長の願いを込めた色です。
 
3歳から8歳くらいまで使えるサイズ感です。3歳頃はホックの開け閉めもまだ難しいので、開閉は簡単に操作できるファスナー。ファスナーの付け根には、開け閉めする動作を自分でしっかり行えるように、しっかりとした厚さを持たせた引っ張りを取り付けています。
 
肩ひもは肉厚感のある柔らかいテープ。ずり落ちないよう、肩ひもの取り付け位置も考慮しています。キーホルダー、ネームプレートなどを付ける小さいD管がついてます。minato: の織りネームは名前やメッセージを書き添えることができるよう、余白をもうけてます。
 
子どもたちに寄り添うファーストリュックになれば嬉しいです。
 
minato: 
さざなみの森の一角ではじまった さまざまなものづくりや場づくりを通して、一人ひとりが自分らしく生きていける世界へと向かう旅に寄り添う活動として、2021年に始まりました。
 
First Rucksack
size : w240×h305×d95(mm)
肩ひもの長さ:340〜540(mm)
 
First Rucksack color はこちらから  、さざなみの森さんの定番の5色はこちらからご覧ください。
 
 
【さざなみの森の風景】
 
 
2月末にさざなみの森さんにファーストリュックの納品に行ってきました。ファーストリュックをお届けするのは、今年で4度目です。
(写真は 0〜2歳の乳児のための施設、ノイエです。ノイエの一室で作業しました。)
 
 
いろいろな話をしながら、タグをつけ、整え、袋に入れて、お渡しできる状態にしました。
手を動かしながら、ゆっくりお話しできるのは、子供の成長のスピードが早い4歳児の父としても、ありがたい時間です。
 
 
 
今回も家族で伺ったので、さざなみの森さんの園庭で一緒に遊びました。園庭にある小屋では、卒園する子供たちと、河合悠さんがロウソクを作っていました。子供たちは、手作りの遊具や、トンネルや、船(本物の船!)コマ、竹馬や、紙飛行機を飛ばしたり、サッカーをしたり遊びまわっていました。
 
ゆっくりと園庭で過ごしてみて、遊んでいる子供たちが、キラキラと生き生きとしていることに、あらためてビックリしました。
トンネルの入り口にあるタイヤの隙間に潜り込み、おしゃべりをしている子、ブランコをおもいっきり漕いで天に届きそうな子、高いところからジャンプして、どやっ!と誇らしい表情を見せてくれる子。コマ回しで戦いを挑んでくる子。それぞれが、目の前にある遊びに熱中していました。
 
教室の入り口にある棚に、ファーストリュックが並んでいて、使われている風景を眺めていました。生き生きと動き回る、子供たちの使うリュックは、しっかりと使われていて、リュックとしての運命をまっとうしているかのようでした。そのクタッとして、使い込まれた姿は、作り手にとって最高の風景でした。
 
 
さざなみの森の、松井さん、菜穂さん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。
リュックの縫製をして下さっている、Sally-ally長野さん、縫製チームのみなさま、ありがとうございました。
 
それにしても、子供たち生き生きとしていたなぁ。
 
 
 
 
2024.3.4 | information products

2023.10.16

constellation / jiji - FLAT

FLAT 
 
 

和歌山で、お洋服を作っているjijiさんと今年も一緒にカバンを作りました。

 
jijiの引網さんに、はじめてお会いした時、一緒にカバンを作りましょうと話をして、
帰りの車の中、頭の中で出来たのが、このカバンです。
 
 
引網さんから、お母さんが使っていたカバンのイメージを伝えてもらった時、
その風景に憧れのようなものを感じました。
 
少し前に読んでいた本の中で、素朴という言葉に、シンプルというルビがふっているのを目にして、ひとりで静かな衝撃を受けていました。15分くらいじっとして、その言葉が体に入っていく様子を観察していると、シンプルということばの周りについていた、いろんなものがはがれ、肩の力がどんどんぬけていくのを感じました。
 
その少し後に読んだ本で、質朴ということばに出会い、自分が学生の時から憧れていたシンプルという在り方は素朴とか質朴のようなものだったんだ。と今さらながら気がつきました。
 
去年jijiさんがFLATに書いた文章を読んでいると、「私の記憶の中から山本さんによって切り出され」ということばがありますが、FLATを作っているとき、僕が切り出したものは、憧れのようなものだったのか。そして、それは僕の憧れでもあった。
 
jijiさんの文章を読んでいると、そのことを最初から予見しているようで、根っこにある何かを共有できたことに震える。
 
 
ANDADURA 山本祐介
 
 
スエード ショルダーバッグ

私が子どもの頃 母がよく使っていた黒いスエードのカバン

それは細くて長い持ち手にマチもポケットも無いような
とても簡素なつくりのカバンだった

特にこれといったデザイン性があるわけではないのに

なぜかそれは私の記憶にずっと残っていて

いつからかそんなカバンが欲しいと思うように


ある時共通の友人を介してANDADURAの山本さんと出会い

私の記憶の中から山本さんによって切り出され 出来上がったのが

”FLAT”と名付けられたとってもシンプルなつくりのカバンです
 
jiji 引網さおり
 
 
FLAT
one handle bag
size : w220×h250 mm
shoulder length : 420mm
color : graige
 
shoulder bag
size : w180×h200 mm
shoulder length : 1050mm
color : graige
 
FLATはjijiさんのonline store よりご覧ください。
写真はjijiさんにいただきました。
Photo by Shingo Hikiami
 
HPに一緒に作るカテゴリがあり、これまで、カテゴリの名前を、一緒に散歩をしているイメージで、歩道という意味の sidewalk という言葉にしていました。
 
FLATをのせるのにあたり、星座(星のあつまり)という意味の、constellation に変更しました。共にいきることへの、ささやかな願いをこめて。
 
2023.10.16 | information products
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